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平成19年12月18日
(1)ラージャパクサ大統領夫妻は、我が国の招待により12月8日~11日まで来日した。
(2)10日、天皇皇后両陛下が御会見になられ、宮中午餐を催された。
(3)10日夕刻、福田総理との間で首脳会談及び夕食会が行われた他、同日午前に高村外務大臣、また11日午前、午後にそれぞれ冬柴国土交通大臣、若林農林水産大臣が個別にラージャパクサ大統領を表敬した。
(4)10日午後、参議院ODA特別委員会に出席し、スリランカの復興・開発に対する我が国ODAへの貢献について演説を行うとともに、出席議員と意見交換を行った。また、11日午前、日・スリランカ友好議員連盟(会長:野呂田衆議院議員)主催による歓迎朝食会が開催された。その後、在京スリランカ大使館、JETRO、日本スリランカビジネス評議会(Sri Lanka Business Council in Japan)の共同で開催されたスリランカ投資ビジネス・フォーラムでは、宇野外務大臣政務官が歓迎のスピーチを行った。
(5)8日~9日、大統領一行は京都を訪問し、清水寺の視察等を行った。(京都迎賓館泊)
(1)10日夕刻、約1時間にわたり、スリランカ和平プロセス、人権問題、経済協力、二国間関係、地域・国際的課題への協力等について率直な意見交換を行った。
(2)スリランカ和平プロセス
福田総理から、民族問題の政治的解決の重要性、そのための権限委譲案の早期策定及びLTTEを含む全ての関係者への提示がラージャパクサ大統領の強い指導力の下で実現されることへの強い期待を表明。また、福田総理より、明石代表を近く派遣しLTTE指導部に対話に応じるよう働きかける旨発言。ラージャパクサ大統領から、スリランカ政府は政治的解決にコミットしており、権限委譲案の早期策定に向け全政党代表者会議での作業を進めている、LTTEが真摯に交渉に取り組むのであれば対話に応じる用意があると発言。また、ラージャパクサ大統領より明石代表の役割を評価していると発言。
(3)人権問題
福田総理よりスリランカ自身の努力による人権改善、大統領事実調査委員会等による具体的成果への期待を表明。ラージャパクサ大統領より、スリランカ政府の人権改善努力へ国際社会から支援を得たいと述べた。
(4)経済協力
ラージャパクサ大統領から、我が国ODAへの謝意、引き続いての支援への希望が表明された。福田総理から、日本が十分な支援を行えるよう和平プロセスを進展させてほしい、スリランカ東部地域の開発については、法と秩序の徹底、各民族の意思の反映が重要であり、これらを確保しつつ平和の配当を早期にもたらすことが重要であると発言。
(5)二国間関係強化
ラージャパクサ大統領から福田総理に対しスリランカ訪問招請があった他、福田総理から提案された、経済関係強化のための「官民合同フォーラム」の立ち上げについて合意された。福田総理から、来年開催予定の「スリランカ文化遺産展」を通じた相互理解増進への期待を表明。また、福田総理からスリランカの青少年を今後5年間で500名招聘したいと表明。
(6)地域的・国際的課題:
(イ)気候変動:我が方より「美しい星50」へのスリランカの支持に感謝を表明。
(ロ)北朝鮮問題:福田総理から、北朝鮮問題、特に拉致問題の早期解決の重要性を説明。スリランカ側から、拉致問題に協力していくと発言。
(ハ)国連安保理改革:福田総理から、日本の常任理事国入りへの支持継続を要請し、スリランカ側より支持表明があった。
高村外務大臣がラージャパクサ大統領を表敬し、1)民族問題の政治的対話による解決と全ての当事者に対する権限委譲案の早期提示が重要であること、2)人権侵害事件の真相究明など人権問題での具体的成果に向けたスリランカ政府の更なる努力を期待すること、3)日本がスリランカの中長期的な経済開発、平和の定着の促進を支援すべく経済協力を実施する、約19億円の無償資金協力を近く決定する予定であること(注:12月18日の閣議で正式決定済み)、4)安保理常任理事国入りへの支持継続をお願いしたいこと等を伝えた。