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カガメ・ルワンダ共和国大統領の来日
(概要と評価)

平成18年11月10日

 ポール・カガメ・ルワンダ共和国大統領は、関係閣僚とともに11月6日(月曜日)から9日(木曜日)まで、我が国の招待(実務訪問賓客)により来日したところ、概要及び評価以下のとおり。

1.概要

(1)来日中、カガメ大統領は、8日に天皇陛下との御会見を行った。また、同日、安倍総理大臣と首脳会談を行い、その後安倍総理大臣主催による夕食会に出席した。

(2)カガメ大統領は、7日に扇参議院議長と会見し、参議院のODA特別委員会で講演を行ったほか、同日、麻生外務大臣主催レセプションに出席した。また、カガメ大統領は、6日、渡辺JETRO理事長と会談し、同日夜、緒方JICA理事長主催の夕食会に出席した。さらに、カガメ大統領は、8日、国連大学において「ルワンダにおける和解と復興」と題する講演会を行った。

(3)6日、同行したインフラ大臣等の3閣僚は、大田区のテクノ・ウィングの視察を行った。

(4)安倍総理との首脳会談の概要は以下のとおり。

(イ)安倍総理より、ジェノサイドの悲劇を乗り越え「平和の定着」へ向けたカガメ大統領のリーダーシップを評価した上で、わが国は引き続きアフリカを重視していく旨述べた。これに対し、カガメ大統領より、安倍総理の就任を祝した上で、引き続き「平和の定着」へ向けた取組を続けていきたいと応じた。

(ロ)続いて二国間関係に関する意見交換が行われ、安倍総理より、昨年8月に現地JICA事務所を開設し、青年海外協力隊も派遣しており、今後とも「人的資源開発」と「地方開発」を重点とした経済協力を実施していく考えを表明した。これに対し、カガメ大統領より、感謝の意を述べるとともに、我が国が進めるTICAD(アフリカ開発会議)プロセスへの感謝と期待が表明された。

(ハ)また、国際場裡における協力についても議論され、北朝鮮による核実験及び拉致問題に関し、核実験については各国による安保理決議の着実な実施が必要であること、拉致問題については北朝鮮が全面的に批判されるべきことに関し、カガメ大統領は理解を示した。また、安保理改革についての我が方立場に関し、カガメ大統領は理解と支持を表明した。

2.評価

(1)我が方招待によるカガメ大統領の訪日が実現したことは、良好な二国間関係のこれ以上ない証左であるとして先方の高い評価を得た。

(2)カガメ大統領は、94年の大虐殺の悲劇を経験した同国で、強力なリーダーシップを発揮しつつ「復興と開発」に向けた努力を続けている。このような姿勢は、「平和の定着」を重視する我が国の対アフリカ支援方針とも合致するものであるところ、カガメ大統領と我が国要人、さらには日本国民との間で、アフリカにおける「平和の定着」に関する意見交換が行われたことは、我が国の今後の本分野での政策決定等に資し、また我が国国民のアフリカの「平和の定着」に対する意識の啓発、理解の深化に繋がった。また、本格的二国間援助実施への礎が得られたものと思われる。

(3)今回の訪問により良好な二国間関係がさらに強化され、特に北朝鮮問題や国連安保理改革に関する我が国の立場への理解・支持を得られた。これは、今後我が国がこれらの外交課題に取り組んでいくに当たっての重要な基盤となり、大きな成果があった。

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