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タリチャーヌ・ルーマニア首相の来日
(概要と評価)

平成19年2月26日

 カリン・ポペスク=タリチャーヌ・ルーマニア首相は夫人とともに、2月21日(水曜日)から23日(金曜日)までの日程で、我が国政府の招待により来日したところ、概要及び評価以下のとおり。

1. 日程

 2月23日、天皇皇后両陛下がタリチャーヌ首相夫妻を御引見になったほか、22日、同首相は安倍総理との間で日・ルーマニア首脳会談を行い、同日夕には麻生大臣夫妻主催の夕食会に出席した。また、タリチャーヌ首相は日本・ルーマニア経済委員会、日本経団連等我が国経済関係者等と意見交換を行った。

2. 首脳会談の概要

(1)安倍総理より、本年1月のルーマニアのEU加盟に祝意を述べ、基本的価値を共有するパートナーとして、二国間関係を一層緊密化するとともに、ルーマニアを含むEUとの戦略的パートナーシップを強化し、国際的な諸課題に協力して対処していきたい旨述べた。

(2)これに対し、タリチャーヌ首相より、ルーマニアに対するこれまでの我が国による経済協力に対し謝意が述べられるとともに、今後、二国間経済関係の一層の強化のために日本企業による対ルーマニア投資が拡大することへの期待が表明された。

(3)また、タリチャーヌ首相より、我が国外交の新機軸である「自由と繁栄の弧」及び欧州を重視する姿勢に注目している旨述べたのに対し、安倍総理は、「自由と繁栄の弧」は我が国外交の大きな柱の一つであり、今後右基づき外交を展開していく考えである旨述べた。

(4)さらに、両首脳は、北朝鮮情勢や国連安保理改革についても意見交換した。

(イ)安倍総理より、早期の安保理改革の実現と我が国の常任理事国入りに対し引き続き積極的な支持・協力をお願いしたい旨述べたのに対し、タリチャーヌ首相からは日本が安保理常任理事国となることは論理的かつ正当であり、日本の2008年非常任理事国選挙立候補についてはこれを支持することを決定した旨述べた。

(ロ)北朝鮮問題については、安倍総理より先般開催された六者会合の概要と成果について説明した後、拉致問題の解決は政権の最重要事項であり、一日も早い解決のため、ルーマニアを含む国際社会との連携を一層強めていきたいとしてルーマニアからの支持と理解を求めたのに対し、タリチャーヌ首相は、同様に北朝鮮による拉致問題を抱えるルーマニアとしても本件問題解決のため政治的、技術的な無条件の協力を約束する旨述べた。

3.評価

(1)今次タリチャーヌ首相の訪日は、ルーマニア首相として初の我が国訪問であり、また、EU加盟後最初のルーマニア首相の外国訪問。先般の麻生外務大臣のルーマニア訪問(2007年1月)に引き続き、タリチャーヌ首相の訪日が実現したことで日・ルーマニア二国間関係進展の大きな弾みとなった。

(2)1989年の社会体制転換以降、ルーマニアの民主化、市場経済化を一貫して支援してきた我が国としてルーマニアのEU加盟に対し祝意。基本的価値を共有するパートナーとしての関係構築を目指すことで一致。

(3)EU市場内で相対的に安価な労働力を有し、今後ますます我が国企業の関心が高まることが期待されるルーマニアとの間で、民間レベルでの一層の経済関係強化の必要性を確認。

(4)基本的価値を共有するパートナーとして、ルーマニアを含むEUとの戦略的パートナーシップを強化し、北朝鮮問題や国連安保理改革といった国際社会の諸課題に対する共同の取り組み強化を目指すことで一致。また、我が国の安保理非常任理事国選挙(2008年)立候補に対する支持が表明された。

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