中東

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日本とカタールの経済関係強化に関する共同声明
(仮訳)

 2008年11月4日、日本側、中曽根弘文日本国外務大臣、二階俊博日本国経済産業大臣と、カタール側、アブドッラー・ビン・ハマド・アル・アティーヤ・カタール国副首相兼エネルギー工業大臣は、東京において日・カタール合同経済委員会第三回会合を開催した。同会合の結果は以下のとおり。

  1. 双方は、今般、アブドッラー・ビン・ハマド・アル・アティーヤ閣下の訪日の機会に、日・カタール合同経済委員会第三回会合が開催されたことを歓迎した。
  2. 双方は、2008年5月の奥田特使のカタール訪問が、二国間の経済関係の強化が進展していることを強調したとの認識で一致した。
  3. 双方は、2006年11月に日・カタール合同経済委員会第1回会合において設置された三つの作業部会(エネルギー作業部会、ビジネス環境整備・投資作業部会及び総括作業部会)が、2007年11月の第二回合同経済委員会以降、幅広い分野において議論を重ねてきたことを歓迎した。かかる3つの作業部会は、両国の経済関係強化のため重要な役割を果たしてきている。
  4. 双方は、合同経済委員会及びその三つの作業部会を、積極的かつ継続的に進めていくとの共通の意思を強調した。
  5. 双方は、世界のエネルギー市場の安定化のために適切な需給バランスが重要であるとの認識を共有し、産油国と消費国の継続的な対話と協力が重要であることを再確認した。

    双方は過度の原油価格の不安定性は産油国及び消費国双方にとって望ましくないことを確認した。また、双方は原油価格の安定につながる市場の透明性の向上のため、共同石油データ・イニシアティブ(JODI)のさらなる発展の必要性を確認した。

    双方は、2009年、日本の経済産業大臣とカタールのエネルギー工業大臣とが共催する第3回アジア・エネルギー閣僚級円卓会議の成功に向け、両国が密に協力しあうことを確認した。

    日本側は、東新潟港と扇島LNG基地でのQ-Flexの受入実績を報告した。また、各港湾でのカタールからの大型LNG船(Q-Flex及びQ-Max)の受入れのための各港での準備状況を報告した。さらに、日本側は、カタールからのLNG輸送の更なる改善・拡充のために、迅速に適切な措置を継続する意志を表明した。

    カタール側はこうした日本側の努力を評価するとともに、日本に対して、石油及びLNGを含む天然ガスを双方にとり受入可能な価格と条件のもとに安定的に供給するべく尽力するとの見解を表明し、日本側はこうしたカタール側の意向を評価した。

    双方は、将来のクリーンエネルギー供給、エネルギー源の多様化による国際エネルギー市場の安定に大きく寄与する手段として、天然ガス液体燃料化(GTL)技術推進の重要性を再確認した。

    双方は、エネルギー分野における上流及び下流部門を含めた双方向の投資活動を歓迎し、引き続き双方向の投資活動を活性化させることに関する具体的案件について、適切なチャネルを通じて協議を継続していくことを再確認した。

  6. 双方は、これまでの作業部会で作成したビジネス環境整備のためのアクションプランに基づき、両国のより良いビジネス環境創設に向けて積極的な取組を継続する強い意思を確認した。二国間の経済関係の強化のため、金融サービス、工業規格、情報通信技術等の幅広い分野において、二国間で議論を進めることを確認した。
  7. 双方は、両国間の相互の投資機会を拡大することの重要性を強調し、二国間投資協定交渉について、可能な限り早期に第1回会合の日程を決定することの重要性を強調した。
  8. 双方は、両国の利益にとって適切な措置に至るため、国際運輸業(船舶又は航空機)の所得に対する二重課税防止に関する公文の交換に向けた交渉が開始されたことを歓迎した。
  9. 双方は、日本・湾岸協力理事会(GCC)間の自由貿易協定(FTA)交渉第三回会合を可能な限り早期に開催することの重要性を強調した。双方は、FTAの早期の妥結は、物品及びサービス貿易の高いレベルの自由化を達成し、二国間の更なる経済関係の強化につながるとの認識を共有した。
  10. 日本側は、日本において開発された環境性能に優れたリージョナルジェットの広範な利用が環境問題解決のために著しく貢献することを強調した。カタール側は、本プロジェクトに対し、関心を示した。
  11. 双方は、二国間経済関係の強化の方法について合同経済委員会の枠組みにおいて引き続き議論することの重要性を再確認し、各作業部会における議論を踏まえつつ、可能な限り早期に合同経済委員会第四回会合を開催することを決定した。

日本国外務大臣
中曽根 弘文

日本国経済産業大臣
二階 俊博

カタール国副首相兼エネルギー工業大臣
アブドッラー・ビン・ハマド・アル・アティーヤ

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