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日時:平成18年10月6日(金曜日)9時00分~11時15分
会場:IFA研修室
10月4日(水曜日)、現地サモアを発った一行はフィジーに一泊、翌5日(木曜日)夕方、成田空港に到着し、都内に宿泊した。
翌5日、ホテルからタクシーに分乗しオリエンテーション会場となるIFA研修室(港区麻布台)に向かった。オリエンテーションでは、IFA野上会長より歓迎挨拶の後、日程や交流時の心構えなどについてブリーフィングを行った。続いて、日本ならびに日本人への理解を深め滞日生活のより一層の円滑化を図るため、スライド上映を盛り込みながら講義を実施した。
日時:平成18年10月6日(金曜日) 夕方~翌7日(土曜日)朝
オリエンテーション終了後、一行は新幹線で愛知県に向かった。東京は激しい雨の中の出発となったが、豊橋で専用バスに乗り換え、今回の交流の中心となる設楽町に着く頃には雨も上がり、薄日が差すほどになり、翌日からの好天を予感させた。翌日からホームステイが始まることを考慮し、設楽町の最初の夜は日本旅館に宿泊し、日本的な文化、生活スタイルを体験した。
設楽町は、愛知万博の際にサモアの受け入れを担当し、その後、町民がサモアを訪問したり、サモアの代表団が設楽町を訪れるなど相互交流の経験がある。今回の宿泊旅館はサモア関係者が以前宿泊したこともあり、再びサモアからの遠来の客を懐かしむように迎えてくれた。日本の家屋や食事・生活習慣などの説明を受けた一行がロビーでくつろいでいると、この夏、サモアを訪問した田口高校の生徒たちが旅館に現れ、一行を驚かせた。突然の訪問にサモア一行は悲鳴に近い声をあげ、互いの名前を呼び、抱き合いながら2ヵ月ぶりの再会をかみしめていた。
夕食に用意された和食も材料から料理方法、食べ方等も説明したが、皆、物珍しそうに眺めながらもしっかり食べていた。特にご飯は3~4杯おかわりする生徒もおり、旅館の人に喜ばれた。
温泉(大風呂)の入り方やマナーについても事前に説明したが、男女とも恥ずかしながらも入っていたようで、翌朝尋ねると皆、よかったと口をそろえていた。
期間:平成18年10月7日(土曜日)~10日(火曜日)3泊4日
秋晴れの天気の中、旅館をチェックアウトした一行は設楽町役場のバスで田口高校に向かった。高校の会議室で一行のみのミーティングを行い、IFA同行者よりホームステイの諸注意、土産物の渡し方、日本語による簡単な自己紹介の練習を行った後、いよいよホストファミリーと対面した。
今回の招聘事業の参加者はいずれも夏の派遣事業で田口高校の生徒のホームステイを受けた家庭の生徒である。前日の劇的な再会もあり、生徒同士はリラックスした様子であったが、ホームステイ先の両親とは初対面となるため、多少緊張の面持ちも見せた。対面式は設楽町企画課の遠山雅浩係長の司会ではじまり、紹介されて一人ずつ前に出て、練習した日本語で挨拶、自己紹介に大きな拍手を受けると笑顔で両親に握手していた。最後に、週末の緊急連絡先、週明けの集合場所・時間、服装、持ち物等につき説明があり対面式を終了し、6組の家族はそれぞれ帰宅の途についた。
なお、対面式の模様は地元中日新聞が取材し、翌朝の新聞に掲載された。
また、対面式終了後、IFAと遠山係長、中島校長、団長、長沼先生で設楽町滞在中の日程等確認を行った。
週末は各家庭で思い思いに過ごしたようで、丁度、開かれていた設楽町の祭りや豊橋市、長野県飯田市辺りに出かけた家庭など様々であった。
日時:平成18年10月9日(月曜日) 8時50分~17時30分
週末のホームステイを経験した一行は、週明けの月曜日、田口高校を訪問した。本来は祝日のところ、高校側のご配慮によりこの日を登校日にしてくださり、通常の授業を体験できた。ホストファミリーの生徒と連れ立って登校した一行はまず、中島校長先生(サモア引率者のホストファミリーでもある)より歓迎の挨拶を受けたあと、体育館で行われた歓迎集会・文化交流会に臨んだ。
全校生徒約170名(普通科、林業科)が拍手で迎える中、入場した一行は壇上に上がり、生徒会の進行で会は始まった。まず、中島校長先生の挨拶、サモア引率者のアソ先生のお礼の挨拶に続き、一人ずつ自己紹介。ここでも片言の日本語で挨拶するサモアの生徒に拍手が送られた。
文化紹介ではサモア側からダンスと歌が披露された。サモアの歌は簡単なメロディーで、その場でサモア語の歌詞を生徒に配り、アソ先生の指導で全員で歌った。田口高校からは盆踊りが紹介され、途中、サモアの生徒も輪の中に入って一緒に踊った。
会終了後は英語の授業を体験。グループに分かれ、自己紹介や日本、サモアのことを互いに質問し合い、時間はまたたく間に過ぎた。続いての書道は一行のためにわざわざ開いてくれた体験講座。一人ずつ用意された習字の道具を前に先生より説明を受けた後、見よう見まねで書道に挑戦。この日一日はホストファミリーの生徒が特別にサモアの生徒のエスコートをまかされており、書道では手を取ったり、英語で教えてもらったりと、各所で笑いが絶えない授業となった。
午前の授業終了後、一行は後述の通り、奥三河郷土資料館を見学し、午後3時前に再び高校に戻った。
午後は、林業科の実習に参加。パソコン入力した自分の名前をハイテク機器を使ってその場で木片に印刷してもらい、出来上がった木の香漂う名札を記念にもらい、早速胸につけて得意そうであった。部活見学では茶道部と剣道部に参加。慣れない手つきでお茶を飲んだり、竹刀を握ったり、初めての日本の高校生活を楽しんだ。
長い高校体験を終了した一行は再び各家庭に帰り、ホームステイ最後の夜を迎えた。
日時:平成18年10月10日(火曜日)9時30分~10時15分
3泊4日のホームステイを終えた一行は田口高校に集合した後、設楽町役場に加藤和年町長を表敬した。町長より派遣事業でお世話になったことや今回の来訪歓迎の挨拶がなされた後、団長による御礼の挨拶、団員の日本語の自己紹介に続き、町長との懇談が行われた。
設楽町滞在中に次の4箇所を訪問した。
日時:平成18年10月9日(月曜日)13時00分~14時30分
説明者:加藤博俊(ボランティアガイド)
訪問内容:設楽町の歴史、自然、人々の暮らしの変化をコンパクトにまとめて展示してあり、サモアにはいない野生の動物の剥製や戦前の生活用品などを皆、興味を持って見学していた。
日時:平成18年10月10日(火曜日) 9時40分~11時00分
説明者:関谷醸造専務 関谷健
訪問内容:日本の食文化を学ぶ場として地元の醸造所を見学。近代的な設備で作り出す伝統の味と技を興味深く見学した。
日時:平成18年10月10日(火曜日)11時30分~12時00分
説明者:施設長補佐 山本勝美
訪問内容:生活廃棄物の処理は世界共通の課題。隣村との境にある中田クリーンセンターでは、所長にご案内いただながらゴミを管理するオペレーター室と何種類にも分ける分別方法を学んだ。
日時:平成18年10月10日(火曜日)13時30分~15時00分
訪問内容:長野県との県境にある愛知県の最高峰-茶臼山(1,415メートル)高原ではリフトに乗って遠く南アルプスや中央アルプスまで眺められる地点まで登り、サモアにはない日本の大自然を体感し、広々とした草原ではフリスビーやバドミントンで身体を動かし、リフレッシュした。
日時:平成18年10月10日(火曜日)18時30分~20時30分
ホームステイ、田口高校訪問、町内見学を終えた一行は、設楽町最後の夜、設楽中学校のホールで開かれた町主催のお別れ夕食会に出席した。
公式訪問時はこれまでアベル・カレッジの制服を着用していた生徒たちもこの日は、初めて現地の民族衣装(揃いのワンピース)に着替えて登場。出席したホストファミリー、設楽町、高校関係者等総勢約60名の喝采を浴びる中、同町遠山係長の司会で夕食会が始まった。まず、主催者を代表して加藤町長が、今回の外務省の事業に設楽町が参加できたことへの感謝、若者同士の交流の意義と大切さ、今回の相互交流を末永く続けてほしいという趣旨の挨拶を行った。続いてアソ団長の御礼挨拶、団員自己紹介、ホストファミリー紹介があり、中島校長による乾杯の音頭の後、食事・懇談に移った。
家族同士の輪がやがては日・サの高校生同士の輪に変化しながら、「したら国際交流協会」の皆さんの手料理を満喫し、話が弾んだ。会には田内高校のホストファミリー以外の生徒も大勢参集くださり、サモアの高校生にとっては大勢の同世代の高校生を知るチャンスとなった。途中、地元の津具村に伝わる津具太鼓が披露されたが、有志が準備した餅つきではサモアの生徒も一緒になってついていた。
懇談の後半、サモア一行は日本の生徒も誘って一緒にサモアのダンスを披露した。閉会前、同行していたIFA長谷川より関係者全員に対し御礼の挨拶を行った後、記念撮影をし、2時間にわたるお別れ夕食会を終了した。
その後、一行は設楽町最初の日に宿泊した旅館に向かったが、別れ際、名残惜しそうにいつまでも話し、抱き合う団員と家族、生徒の姿が見られた。
日時:平成18年10月11日(水曜日)16時00分~17時25分
設楽町での交流を終えた一行は新幹線で東京に戻り、夕刻、外務省に浜田昌良政務官を表敬した。政務官からは本事業の意義と目的、日本とPIF諸国との関係等が話された。続いて、団長挨拶、団員自己紹介の後、懇談に移った。最後に一行からの記念品贈呈、記念撮影を行い、政務官室を退室。会場を省内会議室に移し、引き続き報告会に臨んだ。
報告会は表敬訪問にも同席された大洋州課の中野地域調整官、浜川舞子職員に対し、設楽町での交流、本事業(主に招聘事業)に対する印象や感想、意見等を一人ずつ話した。最後に急遽、サモア側から御礼の歌が披露されたが、手足でリズムをとりながら歌う一行の穏やかな笑顔と美しい歌声に、出席者一同しばし時を忘れるほどであった。
外務省表敬・報告会を終えた一行は、東京タワーから夜景を望み、大都会を実感した。翌12日(木曜日)は浅草、科学未来館(お台場)を見学し、日本の伝統文化に触れたのち、近代科学を体験した。