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オマーン遺産文化大臣ハイサム殿下の訪日
(概要と評価)

平成20年4月15日

1.日程

 オマーン遺産文化大臣ハイサム殿下は、3月31日(月曜日)から4月5日(土曜日)まで外務省賓客として来日し、2日に天皇陛下との御会見、及び3日に皇太子殿下による御接見が行われた。また、1日には福田総理を表敬し、同日、高村大臣との会談、及び大臣主催夕食会に出席した。このほか、渡海文部科学大臣、二階自民党総務会長との会談、日オマーン友好議連との懇談、国立公文書館訪問等を行った。更にトヨタ自動車、京都を視察し、日本を特徴づける工業技術と伝統文化の二つの側面に触れられた。

2.概要

(1)総理表敬

 福田総理から、訪日を歓迎し、オマーンが世界全体にとって重要なホルムズ海峡の安全確保、「テロとの闘い」に大きな役割を果たされていることを評価する、エネルギーの輸入国・輸出国の関係に留まらない多面的でな分野での関係構築に努力したい旨述べた。さらに、サッカー・ワールドカップ予選での互いの健闘への期待を表明した。

 これに対して、ハイサム大臣遺産・文化大臣より、二国間関係について認識を同じくする、多面的でな分野での関係構築に賛成であり、特に人材育成分野での協力、文化、スポーツの面での交流の促進に関心を有する旨述べ、公文書の保管についても意見交換した。

(2)高村外務大臣との会談

 高村大臣から、オマーンが湾岸地域の平和と安定に大きな役割を果たしている点を高く評価するとともに、本年末に湾岸協力理事会(GCC)議長国となるオマーンと、日・GCCの脈絡でも緊密に連絡を保っていきたい旨述べた。

 ハイサム殿下から、双方は両国間の人的往来が活発化し、交流や相互理解が深化していることを歓迎するとともに重層的な関係構築に向けて、文化交流、人材育成の分野での協力を進展さたい旨述べた。また、別途イラン情勢等につて意見交換を行った。

(3)渡海文部科学大臣との会談

 2日、渡海文部科学大臣と人材育成や教育の重要性について意見交換を行った。

(4)宮中行事

 2日、天皇陛下御会見、3日、皇太子殿下御接見が行われた。

(5)表敬・懇談等

 二階自民党総務会長、及び日・オマーン友好議員連盟との懇談を行い、幅広い交流につき意見交換を行った。

(6)視察等

(イ)国立公文書館を視察し、同館の文書保存・管理システム等の説明を受けた。ハイサム殿下は、オマーンで国立公文書館の立上げ整備中であるとして、ITを用いた保存協力に関心を示した。

(ロ)人材育成の一例として、ヤマト財団が支援するスワン・ベーカリー(障害のある人もない人も共同して就労する店舗)を視察した。

(ハ)3日、愛知県のトヨタ自動車の工場を視察、4日、京都の仙洞御所及び京都国立博物館を視察し、また裏千家を訪問。5日出発時には、関西空港の維持・管理システムについて説明を受けた。

3.評価

(1)ホルムズ海峡の安全及び「テロとの闘い」に寄与するオマーンから、我が国及び国際社会にこの面で協力していく意向を改めて確認できたことは、有意義であった。

(2)我が国の文化・人材育成の現状等についてオマーン側の理解を深めることができ、また、訪問の機会に、文化、教育、スポーツ、社会問題等に焦点をあてた両国間共同発表が発出されたことは、今後のかかる分野の関係強化の基礎となるものと期待される。

(3)我が方皇室とオマーン王室との間の関係を一層深める機会となった。

(4)オマーン王族の公式訪問としては、1997年のファハド副首相(公実賓)以来の高いレベルの訪日であり、我が国要人との会談、表敬及び議連等との懇談により、日・オマーン間の人的なパイプと伴に、今後の二国間の政治対話、協力関係の発展にとって大きな財産となるものと考えられる。

(5)今回のハイサム殿下の我が方要人との会見、視察は、連日オマーン現地紙のトップで報じられ、今次訪日の事実と意義がオマーン国民に共有された。

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