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第13回アフリカ連合(AU)首脳会議における麻生総理メッセージ

ムアンマル・カダフィ大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国9月革命指導者、兼第13回AU総会議長、
ジャン・ピンAU議長
AU加盟国元首・代表団長

 第13回AU総会の開催にあたり、心からのお祝いを申し上げます。

 第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)、及びG8北海道洞爺湖サミットから早くも一年が経過しました。当時予測されていなかった金融・経済危機が、現在、アフリカ各国にも大きな影響を与えています。この危機は日本を含む開発パートナーにも影響を与えていますが、我が国は、アフリカ諸国がこの危機を克服し、成長と開発を推進できるよう、昨年のTICAD IVやG8サミットで行った約束の確実な実施に取り組んでいます。

 例えば、今年3月には、ボツワナでTICAD IVのフォローアップのための閣僚級会合を開催しました。この会合には、TICAD IVで議長を務めた福田前総理や中曽根外務大臣が出席しました。この会合において我が国が表明したアフリカ諸国に対する約3億ドルの食糧・人道支援については、既に実施済みであります。また、当面約20億ドルの無償資金・技術協力をできる限り早期に実施することを発表しましたが、この実現のために現在多くの調査ミッションをアフリカ各国に派遣し、具体的プロジェクトの発掘・形成に努めています。さらに、経済危機に関するアフリカの声を集約し、4月にロンドンで行われたG20サミットにもその意見を反映させました。

 近年、歴史的な高成長を実現してきたアフリカの努力が水泡に帰し、ミレニアム開発目標(MDGs)の達成がさらに困難になる事態は、なんとしても回避しなければなりません。そのためには、先ずは、日本を含む開発パートナーが援助に関する既存のコミットメントを確実に果たすことが必要です。また、ロンドンのG20サミットで合意された支援措置を早急に実施に移していくことも重要です。このような考えに立って、間もなく開催されるG8ラクイラ・サミットにおいて、アフリカに対する支援の重要性を訴えていく考えです。

 さて、今回のAU総会のテーマは、経済成長及び食料安全保障のための農業への投資と伺っています。昨年来の食料危機は、アフリカに極めて深刻な影響を与え、世界の食料需給に内在する不確実性を浮き彫りにしました。農業投資を拡大し、世界全体の食料生産能力を抜本的に強化する観点から、我が国は、いわゆる「農地争奪」の問題に対処し、責任ある国際的農業投資を促進するためのイニシアティブを、G8ラクイラ・サミットの機会に提案する予定です。また、我が国は、TICAD IVで呼びかけたとおり、10年でサブ・サハラ・アフリカにおけるコメ生産量倍増を目標とした「アフリカ稲作振興のための共同体(CARD)」イニシアティブを他の開発パートナーと連携して推進しています。先月初めには、第二回CARD会合がアナンAGRA理事長(元国連事務総長)を招待して東京で行われました。これらの取組みが、アフリカの食料事情の改善に役立つことを期待しています。

 今回のAU総会において、アフリカが直面する問題の克服と更なる発展のために実り多い成果が得られることを心から期待しています。

平成21年7月
日本国内閣総理大臣
麻生 太郎

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