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第12回アフリカ連合(AU)総会議長、
ジャン・ピンAU委員長、
メレス・エチオピア首相、
AU加盟国元首・代表団長、
第12回AU総会の開催にあたり、心からのお祝いを申し上げます。
日本は、昨年、第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)、及びG8北海道洞爺湖サミットを開催し、アフリカ諸国の御協力を得て、大きな成功を収めることができました。これらの会議においては、アフリカ開発における重要事項と方向性について合意し、アフリカ諸国の視点を国際社会の議論に反映させることができたと思います。改めて、皆様の御協力に感謝致します。
一方で、世界情勢は急速に動いています。昨年後半に発生した世界的金融危機及び経済減速は、様々な形で、多くのアフリカ諸国に影響を与えざるを得ないものと考えられます。また、政治面でも、いくつかの国で発生したクーデターや長引く紛争は、アフリカの平和の定着に対する大きな挑戦となっています。これらの問題への対処は緊急の課題であり、国際社会の関心が国内問題やアフリカ以外の地域に集中しがちな今こそ、アフリカ支援のモメンタムを維持し、高めていくことが重要です。私は、ダボスで、我が国がTICAD IVやサミットで行った約束を今後とも着実に実施していくことを改めてお約束しました。また、TICAD IVの閣僚級フォローアップ会合を、本年3月21日、22日に、ボツワナで開催し、TICAD IVで行ったコミットメントの進捗状況についてレビューを行います。アフリカ諸国からも多くの閣僚の皆様に御出席頂き、皆で横浜行動計画のフォローアップを行うとともに、TICADプロセスを現在の国際情勢を踏まえて強化していきたいと考えます。同時に、右フォローアップ会合では、経済危機に関するアフリカの声を集約し、4月にロンドンで行われるG20会合に届けていきたいと考えています。
さて、今回のAU総会のテーマは、アフリカにおけるインフラ開発です。TICAD IVは、アフリカを希望と機会の大陸と位置づけ、21世紀を「アフリカ成長の世紀」とするべく支援を行うことを約束しました。その「アフリカ成長の世紀」を実現する鍵となるのが、正にインフラ開発です。日本は、インフラ開発に向けたアフリカの取組を積極的に支えていく考えです。TICAD IVでは、2012年までのODA倍増やインフラ分野をはじめとして、最大40億ドルの円借款提供をお約束しました。2008年度、既に運輸インフラや電力インフラを11案件、10か国分(133.78億円)について交換公文を締結している他、国境の移動を円滑にするワン・ストップ・ボーダー・ポストの実施を3か所で支援しています。今後とも、この分野での支援を強化して参ります。
最後に、日本は、本年、国連安全保障理事会のメンバーとなりました。アフリカの平和と安全の実現に向け、アフリカの声を聞きながら、積極的に取り組む考えです。
今次総会の成功と皆様の益々の御健勝をお祈り致します。
平成21年2月
日本国内閣総理大臣
麻生 太郎