アフリカ

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第11回アフリカ連合(AU)首脳会議における福田総理メッセージ

第11回アフリカ連合(AU)総会議長、
ピンAU委員長、
ムバラク・エジプト大統領
AU加盟国元首・代表団長、

 第11回AU総会の開催にあたり、心からお祝いを申し上げます。また、先日我が国で開催された第四回アフリカ開発会議(TICAD IV)には、多数の皆様から御出席いただき、改めて感謝の意を述べたいと思います。

 アフリカは、これまでも多くの困難を抱えながらも発展への歩みを遂げてきましたが、AUが設立され11回目の総会を迎えた今日、アフリカ全体のGDP成長率は年6%を超え、まさに、アフリカは、「成長の世紀」への歩みを大きく踏み出そうとしています。

 アフリカにこのような明るい希望をもたらしたのは、数々の変化の結果です。アフリカ自身の変化へのオーナーシップとこれを支える国際社会のパートナーシップの強化は重要な役割を果たしました。変化は機会と希望を生み出しますが、この明るくも不安定な変化の時代を持続的・安定的な成長の時代へと繋げていくためには、直面する様々な課題に取り組んでいかなければなりません。

 このような考えに基づき、TICAD IVでは、「元気なアフリカを-希望と機会の大陸」との基本メッセージの下、成長の加速化、人間の安全保障確立及び環境・気候変動問題への取り組みを重点事項とし、アフリカ開発の今後の方向性について活発な議論を行いました。

 アフリカにおいて、成長の果実を人々に行き渡らせ、また、持続的・安定的発展を実現するためには、水や教育といったMDGs達成に向けた取組を進めることが必要です。こうした観点から、今次AU総会が「水と衛生」を主要テーマとしたことは、まさに時宜を得たものです。我が国も、TICAD IVで、水資源開発・管理の専門家集団たる「水の防衛隊」派遣等MDGs達成のための数多くの具体的プロジェクトを表明しました。

 更に、アフリカが力強く成長を続けていくためには、民間投資を呼び込み、自立的な発展を実現しなければなりません。そのため、我が国は、インフラ整備支援のために向こう5年で最大40億ドルの円借款を提供します。また、我が国からの政府要人と経済界合同ミッションもアフリカを近く訪問する予定です。更に、発展の大前提であるアフリカの平和と安定実現のため、「平和協力国家」としてこの分野にも力を注ぐことを表明しました。

 変化が必要なのはアフリカも国連も同じです。第2次世界大戦直後に創られた国連安全保障理事会も、常任・非常任理事国双方の拡大を通じ、21世紀にふさわしい姿に変えていく必要があります。この春以降、ニューヨークでは、アフリカ諸国を含めた多くの国が関与し、政府間交渉に向けた活発な議論が行われ、安保理改革に向けた機運は着実に高まっております。この機会を逃さぬよう、今次AU総会で、安保理改革の早期進展のため、交渉開始を支持する力強いメッセージを出されることを期待しております。

  7月7日から我が国で開催されるG8北海道洞爺湖サミットでも、開発・アフリカが主要議題として取り上げられることになっています。G8でのサミットに先立って行われるアフリカ首脳との議論も踏まえ、先日のTICAD IVの成果をサミットでの議論に反映させ、アフリカ開発をめぐる議論を大いに盛り上げていく考えです。

 最後に、今次総会の成功と皆様の益々の御健勝をお祈り致します。

平成20年6月
日本国内閣総理大臣
福田 康夫

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