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クフォー・ガーナ共和国大統領、第9回アフリカ連合(AU)総会議長、
アルファ・ウマール・コナレAU委員長、
AU加盟国元首・代表団長、
第9回AU総会の開催にあたり、心からお祝いを申し上げます。また、独立50周年という記念すべき年に、このような重要な会合の開催国となったガーナ政府及びガーナ国民の皆様に対し、祝意をお伝え致します。
アフリカ連合(AU)がアフリカ統一機構(OAU)から発展・改組して以来、既に5年が経過しましたが、この間、平和・安全保障の分野におけるAUの役割は飛躍的に発展したと認識しています。我が国は、ダルフール、ソマリアなどにおいて、AUがアフリカ問題を自ら解決しようと努力をされていることを高く評価すると共に、大陸西部、大湖地域等において、明るい展望が開けつつあることを嬉しく思います。AUが、今次総会において「アフリカ合衆国」構想を主要テーマとして選択されたことは、こうした前向きの動きを背景とするものと考えます。既にAU発足と共に加速された、アフリカ統合に向けた動きが、今次総会の議論を通じて更に加速することを希望しています。
アフリカが時代の変化に応じて変革を遂げようとしているように、第2次世界大戦直後に創られた国連も時代に応じた変革が不可欠です。特に、安全保障理事会については、常任・非常任理事国双方の拡大を通じ、21世紀にふさわしい姿に変える必要があります。我が国は、安保理を始めとする国連改革の早期実現には、アフリカ諸国との協力が不可欠だと認識しています。今次AU総会において、アフリカ諸国が現実的かつ柔軟な観点から、この問題についての議論を深められることを期待しています。
来年、我が国は5月28日から30日まで、横浜において第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)を開催致します。90年代初頭の第1回TICAD開催以来、我が国は「自助努力に基づくオーナーシップと、これを支援するパートナーシップ」という考え方に基づき、アフリカ問題に取り組んで参りました。近年、その考えが、アフリカ諸国を含め国際社会で広く共有されていることを大変嬉しく思います。明年のTICAD IVでは、アフリカの高い経済成長、平和や民主化の進展などの肯定的な動きを後押しすべく、「元気なアフリカを目指して」国際社会全体が支援する場とし、我が国が議長国を務めるG8北海道洞爺湖サミットにおける議論にも効果的に関連付けたいと考えています。TICAD IVの機会に、アフリカの多くの首脳の方々と日本でお目にかかることを楽しみにしています。
なお、我が国は、クフォー・ガーナ大統領、コナレAU委員長のご意見を得つつ、1920年代にガーナで感染症対策に貢献した野口英世博士を記念して野口英世アフリカ賞を創設しました。これは、国籍を問わず、アフリカにおける医学と医療活動での顕著な実績を表彰するものです。明年のTICAD IVの機会をとらえ、我が国は、第1回授賞式を実施する予定であることを付言致します。
今次AU総会のご成功と皆様の益々の御健勝をお祈り致します。
平成19年7月1日
日本国内閣総理大臣
安倍 晋三