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第2回AU首脳会議における小泉総理メッセージ

ジョアキン・アルベルト・チサノ・モザンビーク共和国大統領、第2回アフリカ連合(AU)首脳会議議長
アマラ・エシー・AU暫定委員長
AU加盟国元首・代表団長

 第2回AU首脳会議の開催にあたり、心よりお祝い申し上げます。また、モザンビークで開催されるこの重要な会議に、日本政府の代表をご招待頂いたことに対して心から感謝申し上げます。私自身、昨年9月に南アフリカで開催されたWSSDに出席し、アフリカの地を踏み、アフリカの人々の生活と改革に向けた努力をこの目で見ました。

 昨年体制移行を果たしたAUの具体的進展に向けた第2回首脳会議が、内戦から立ち直り、民主化と政治的安定に努め、経済的躍進を遂げるモザンビークで開催されることには象徴的な意義があると思います。アフリカの人々のための平和と繁栄を実現するのは国際社会の急務であり、その実現に主要な責任を有するアフリカの政治指導者が決意を新たにし、AUの下に結集して真摯に取り組んでいかれると確信しております。我が国は、こうしたアフリカの真摯な取り組みをパートナーとして支援していきます。

 昨年7月のOAUからの移行以来これまでの短期間に、AUは、コートジボワール、中央アフリカ情勢等に関して特使を派遣して和平活動を展開し、本年4月には、画期的なAUブルンジ・アフリカ・ミッションを派遣し、NEPADの政治ガバナンスに関する取り組みを展開する等、大きな成果を上げてこられたことに心より敬意を表します。さらに、本年の首脳会議においては、アフリカのより高度な政治的・経済的統合を視野に、平和・安全保障理事会等機構上の改革、アフリカ共通防衛政策の策定等について重要な決定がなされると承知しております。このようなAUの機構上の改革が成功裡になされ、AUが21世紀におけるアフリカの平和と繁栄を実現するための原動力となることを確信しております。

 私は、NEPADをアフリカの将来のためにアフリカ自身が生み出した開発と進歩のための道筋として心から歓迎しています。先月のG8エビアン・サミットにおいては、カナナスキス・サミットに引き続き、G8首脳とアフリカ諸国を代表する首脳とが、NEPAD支援に向けた有意義な意見交換を行うことができたと考えています。また、今回のサミットでG8各国首脳に提出された「アフリカ行動計画実施報告書」は、こうしたアフリカ諸国のオーナーシップに対し、G8が着実に協力しているという成果の結集です。

 我が国は、TICAD Iが開催されて10周年の本年9月29日から10月1日に、第3回アフリカ開発会議(TICAD III)を開催します。この10年間、TICADプロセスを中軸として我が国とアフリカは友情を基礎とし、種々の協力関係を強化して参りました。TICAD IIIの開催は、我が国のアフリカに対する変わらぬ協力の決意の証です。我が国の対アフリカ協力の基本方針は、このTICADプロセスを通じたNEPAD支援であり、そのための国際社会におけるパートナーシップの拡大です。

 私はNEPAD支援にあたり、昨年6月に発表した「日本とアフリカの連帯ー具体的行動」に続き、本年5月に「我が国の対アフリカ協力イニシアティヴ」を発表しました。その中では、人間の安全保障の視座を重視しつつ、アジア・アフリカ協力やアフリカ域内協力等「南南協力」を推進し、NEPADへの国際社会の支援の結集を図っていく我が国の方針を述べました。また、「人間中心の開発」、「経済成長を通じた貧困削減」、「平和の定着」を我が国の対アフリカ協力の3本柱として、それぞれについてアフリカ地域を含め全世界で約8,000万ドルのポリオ対策支援、約10億ドルのインフラ支援、約1億ドルの紛争予防・平和構築無償の活用等を始めとする具体的な行動を紹介しました。我が国は、TICAD IIIに向けて、この「イニシアティヴ」を着実に実施していくとともに、国際社会の支援の結集と開発パートナーの拡大を通じてNEPADを支援していくこととしており、TICAD IIIを機にアフリカ諸国との連携を一層強化していく考えです。

 最後に、我が国とアフリカ諸国との関係が一層緊密化することを祈念するとともに、今次首脳会談の成功とAUの更なる発展、皆様のますますの御健勝をお祈り申し上げます。

平成15年7月10日
日本国内閣総理大臣
小泉 純一郎

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