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第1回「日朝国交正常化のための作業部会」の概要

平成19年3月8日

 3月7日及び8日、ベトナム(ハノイ)において、第1回「日朝国交正常化のための作業部会」が開催されたところ、概要以下のとおり。(日本側代表:原口日朝国交正常化交渉担当大使。先方代表:宋日昊(ソン・イルホ)外務省朝日会談担当大使。)

1.日程

3月7日午前9時半より正午まで(於:在ベトナム日本大使館)
3月8日午前10時より10時45分まで(於:北朝鮮「大使館」)
(作業部会に先立ち、6日に非公式事前打ち合わせ(約1時間)及び夕食会を実施。また、7日午後にも、非公式な意見交換(約2時間)を実施。)

2.概要

(1)総論

 今次会合では、我が方より、「日朝平壌宣言に則り、拉致、核、ミサイル等の懸案事項を包括的に解決し、不幸な過去を清算することを基礎として国交正常化を実現するという基本的方針の下、積極的に作業部会に取り組む用意がある」との基本的立場を表明。作業部会での作業を、日朝平壌宣言に則って行うことについては、日朝間で確認された。しかしながら、拉致問題についても、また、いわゆる「不幸な過去の清算」をめぐる議論についても、日朝間の立場が依然として大きく離れていることが明らかとなり、具体的成果は得られなかった。
 また、我が方からは、核問題、ミサイル問題等の安全保障問題についても取り上げた。

(2)拉致問題

 7日の協議で、詳細に議論。我が方より、1)すべての拉致被害者及びその家族の安全確保と速やかな帰国、2)真相の究明、3)拉致被疑者の引渡し等を要求。北朝鮮側は、「日本側の問題提起については今まで出来る限りのことを行ってきた、拉致問題は解決済みである」など従来の立場を繰り返すのみならず、我が国の北朝鮮に対する経済制裁の解除を求めるなど、拉致問題の解決に向けた誠意ある対応は示されず。

(3)国交正常化(いわゆる「不幸な過去の清算」)

 我が方より、国交正常化のためには、拉致問題を含む懸案事項の解決と「不幸な過去の清算」の双方が達成されなければならないことを強調。「不幸な過去の清算」については、日朝平壌宣言で確認されたいわゆる「一括解決、経済協力方式」(注)が唯一の現実的な解決策である旨説明。北朝鮮側からは、「一括解決、経済協力方式」が意味するところについて、正しく理解していないと思われる発言があった。

(注)一括解決・経済協力方式

 日朝平壌宣言で提示されている「一括解決・経済協力方式」とは、「1945年8月15日以前に生じた事由に基づく両国及びその国民のすべての財産及び請求権を相互に放棄」し、これにより、いわゆる慰安婦、強制連行等の問題を含め、植民地支配に起因する金銭支払いを含めあらゆる請求は法的に完全かつ最終的に解決されたものとするとともに、これと並行して、我が国から北朝鮮に対して経済協力を行うことをいう。

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