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第5回六者会合第1次会合
(概要と展望)

平成17年11月

1.概要

(1)11月9-11日の3日間、北京にて開催し、休会。

(2)9月の第4回会合で採択した「共同声明」の実施に向けた作業の指針について「議長声明」として発表。

(3)交渉の具体的進め方については、休会明けに詳細を交渉する予定。

(4)次回は「できるだけ早い期日に開催」することが申し合わされた。

2.議長声明の要点

 六者は、下記の精神に従い、共同声明を履行するための具体的な計画、措置及び手順について作成することに合意。

(1)信頼醸成を通じた共同声明の包括的履行

(2)様々な分野においてすべての約束の実施

(3)実施プロセスを迅速にかつ調整された形で開始しかつ終了

(4)均衡のとれた利益を達成し、協力を通じ共に勝者となるような結果の達成

3.今次会合の主なポイント

(1)米朝間の相互不信:北朝鮮は、米国の最近の姿勢(特にマカオの銀行を通じた「北朝鮮のマネロン」摘発)を激しく非難。北朝鮮は、右措置は共同声明違反である、また、共同声明履行のために北朝鮮が行った公約を実現できなくするものである、米国は敵視政策を止めるべしとの立場を示した。

(2)日・韓・朝による具体的提案:我が国、韓国、北朝鮮がそれぞれ共同声明履行のための具体的な提案を提示。「日本案」(3つの交渉分野を設け、迅速かつ並行して包括的に実施 )は他の国々より評価。基本的アプローチについては議長声明にも反映された。他方、作業部会の設置等の具体的な進め方については次回会合の課題。

4.日朝関係

(1)2度(8日の夕食会及び10日の二国間協議)にわたり長時間の協議。

(2)我が方からは、拉致問題解決の重要性を述べた上で、拉致問題等の諸懸案の解決による日朝関係の進展が六者会合の進展に肯定的な影響を及ぼすこと、同時に、六者会合における核・ミサイルの進展が国交正常化の展望を容易にするとの「車の両輪」の考え方を強調。北朝鮮側は、日本側の話についてはよく分かる旨述べ、理解を示した。

(3)先般の日朝政府間協議での我が方提案(3つの分野の並行的協議)に対する回答を促した。

5.今後の展望

(1)次回の六者会合で、交渉分野の数を含め共同声明を履行するための枠組みにつき議論し、合意が得られれば、作業部会及び専門家会合で具体的な作業計画等を作成する方向。

(2)米朝間の信頼関係構築を進めつつ、次回会合の早期再開を図るべく参加国間で調整を進める。

(3)日本は六者会合と日朝の二国間協議・交渉を然るべく噛み合わせながら、全体の進展を目指していく。

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