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第4回六者会合:佐々江大使による基調発言要旨
平成17年7月27日
- 北東アジア地域における永続的な平和・安定の確立が我が国の戦略目標。小泉総理の2度の訪朝の目的は、対立を友好に、不正常な関係を正常な関係に置き換えることで、北東アジアに大きな平和と安定を創造すること。
- 北朝鮮の核開発は平和への道に反し、対立と不信の構造を増幅。六者会合は、北朝鮮の核問題を中心的課題として早急に解決するとともに、北東アジアの永続的平和を達成する上で不可欠なその他の外交・安全保障上の諸懸案の平和的解決を図るための枠組みとして、有効に機能すべき。
- 北朝鮮の核関連活動は、我が国を含む北東アジア地域の平和と安定に対する直接の脅威であるのみならず、国際的な不拡散体制に対する深刻な挑戦。また、北朝鮮の弾道ミサイルは、大量破壊兵器の運搬手段であり、我が国を含む北東アジア地域、更には世界の平和と安定への脅威。北朝鮮が、朝鮮半島の非核化という目的の下で、自らの核計画廃棄にコミットするという戦略的且つ本質的な決断を行う必要がある。信頼のおける国際的な検証の下、ウラン濃縮計画を含む全ての核計画の完全廃棄を受け入れることを強く期待。
- 北朝鮮からの核計画の廃棄のコミットメントに対して、「安全の保証」の提供のコミットメントを行う用意あり。エネルギー支援についても、韓国政府の「重大な提案」を通じたイニシアティヴを歓迎。
- 六者会合の最終的な出口として、関係国の国交正常化までを視野に入れる必要がある。その際、国交正常化の前提条件であり、また、国際社会の関心事項であるミサイル問題や人権・人道問題等の諸懸案についても包括的な解決が図られる必要がある。
- 日朝平壌宣言に基づき、六者及び二国間の接触を通じ、核問題、ミサイル問題、拉致問題といった諸懸案を包括的に解決した上で、北東アジア地域の平和と安定に資する形で日朝国交正常化を実現するとの我が国の基本方針は不変。我が国は、不幸な過去を話し合いを通じて清算する用意があるが、北朝鮮側においてもこのような現在の諸懸案を清算する決断を求めたい。日本政府としては、実際の話し合いを通じて物事の進展を図る用意がある。諸懸案の解決、国交正常化は日朝共通の利益。
- 今回会合が、六者会合の大きな目標につき共通の認識を得て、大きな利益に向けた第一歩となることを強く期待。我が国としても、各国と緊密に協力しつつ、建設的な姿勢をもって会合に臨む。