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第4回六者会合閉幕式
(佐々江団長発言)
平成17年9月
武大偉副部長、各国団長及び代表団の皆様
- 第4回六者会合の閉幕に当たり、これまで同様主催国として素晴らしいおもてなしをして下さった中国政府に対し、また、会合の期間中、議長役として終始、公平の精神に基づき、力強い指導力を発揮された武大偉副部長に対し、深甚なる謝意を表したいと思います。
- 北朝鮮の核問題は北東アジア地域の平和と安定、国際的な不拡散体制に対する深刻な挑戦であり、この問題の平和的解決は国際社会全体にとっての喫緊の課題です。今回の六者会合は、休会期間も含めればほぼ2ヶ月に亘るマラソン交渉となりましたが、最終的に、六者が達成すべき大きな目標を示す共同声明に合意できたことは、核問題の平和的解決へ向けた第一歩となる、重要な具体的成果でした。この成果は参加各国夫々の政治的決断と貢献なしには実現し得なかったものであり、その意味で、各代表団の大きな努力に対し深い敬意を表したく存じます。
- 今回の会合において、北朝鮮が、全ての核兵器及び核計画の検証可能な放棄をはじめて約束したことは、今後、六者間の努力を通じて、朝鮮半島の非核化を実現する上での重要な基礎となるものです。我が国は、今般の北朝鮮の決断を重く受け止めています。しかし、もちろん今回の合意をもって全てが解決したわけではありません。むしろ、今後は合意された諸原則の実施、特に北朝鮮による核放棄のすみやかな実現に向けた具体的手順や検証措置の詳細等に関し、具体的な合意を達成していかなければなりません。
- この関連で、本日採択された共同声明のセクション1・パラ6の「適当な時期」に関する我が国の立場につき改めて確認しておきたいと思います。我が国としては、まずは、北朝鮮が今回の共同声明において表明した北朝鮮自身の約束を履行するため、信頼のおける国際的な検証の下、すべての核兵器及び既存の核計画を放棄するとともに、NPT及びIAEA保障措置を含め、原子力の利用に関連するすべての国際的合意及び規範を完全に遵守し、国際社会からの信頼を構築することが不可欠であると考えています。我が国としては、これら全てが満たされれば、軽水炉提供問題を議論する用意があります。
- 朝鮮半島の非核化、北東アジアの平和と安定という共通の目標を早期に達成するためには、今回各国の間で得られた信頼関係を基礎に、共同声明の実施に向け、各国が緊密に、そして建設的に協力していくことが大事です。我が国としても、引き続き関係各国と協調を図りつつ、最大限努力していく考えです。
- また、今般採択された共同声明では、六者会合の最終的な目標の一つに、日朝関係の正常化が、米朝関係の正常化とともに明確に記されました。我が国としては、この合意を北朝鮮側と共に着実に実施していくとの約束を踏まえ、早期に日朝政府間の対話を再開し、日朝平壌宣言に基づいて、核問題に加え、ミサイル問題、拉致問題等の日朝間の諸懸案を解決し、不幸な過去を清算することで、国交正常化を達するべく、関係各国からの理解と支持を得つつ、引き続き最大限努力していく考えです。今回、私と金桂冠団長との間で数回に亘り行われた対話が、そのための端緒になるものと考えています。