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第4回六者会合:日本代表冒頭挨拶

平成17年7月26日

(1)李肇星外交部長、武大偉議長、各国団長、皆様。北東アジアの平和と安定に大きな責任と役割を有する我々関係六者が一堂に会し、第4回会合がここに開催される運びとなったことを、日本政府を代表して歓迎したいと思います。前回会合以降、残念ながら1年以上が経過しましたが、関係各国、とりわけ、議長国中国の会合開催に向けた努力もあり、この日を迎えることができました。ここに深甚なる謝意を表明したいと思います。また、朝鮮半島において南北交流、緊張緩和という肯定的な動きが生じていることを評価したいと思います。

(2)まさに朝鮮半島を含む北東アジア地域の平和と安定の達成は、関係六者の共通の利益であり、共通の課題であると考えます。小泉総理が2002年、2004年と二度にわたり北朝鮮を訪問し、金正日国防委員長と直接対話したのも、我が国と北朝鮮との不正常な関係を正常なものとし、対立を友好に置き換え、もって北東アジアに大きな平和を創造することが目的でした。

(3)この大きな目標を実現するためには、まずは、国際社会が強い懸念を有している北朝鮮の核問題を一日も早く、かつ、平和的な手段で解決する必要があります。北朝鮮が、この六者会合の枠組みにおいて、先ほど述べたように必要な戦略的な決断を行い、信頼のおける国際的検証の下でのすべての核計画の完全廃棄に応じることこそが国際社会の全体の要請に応える所以であり、また、北朝鮮自身の利益でもあります。

(4)しかし、同時に、このような六者会合を通じた核問題解決のプロセスを促進するためには、関係六者間の信頼関係を構築し、国交正常化に至る大きな構図の下での互恵的な協力を視野に入れていく必要があることも明白です。なぜなら、国家間の平和と安全を確保する大きな基礎となるものは、相互の全般的な信頼関係の如何に関わるといっても過言でないからです。我が国としては、日朝平壌宣言に基づいて、日朝国交正常化を図るという方針に一切変わりはありません。しかし、そのためには、核、ミサイル、拉致といった諸懸案が包括的に解決されなければなりません。これらの諸懸案の解決のために、北朝鮮側の真摯な対応を強く期待するとともに、我が国としても、この協議に出席の各国と協力しつつ、全力を上げて取り組む決意であることを改めて申し上げたいと思います。

(5)我が国は、核問題の平和的解決を実現する上で、この六者会合が最善の枠組みであると信じています。本日から始まるこの会合において、六者会合が目指すべき大きな目標に合意できることを強く期待しています。同時に、今回の会合において、具体的成果が得られない場合、この会合という枠組みの有用性、信頼性が問われることになりかねません。日本の代表団は、ここにお集まりの各国代表団と緊密に協力しつつ、柔軟性を最大限発揮し、建設的な姿勢をもって、今回の会合での実質的進展に積極的に貢献したいと考えます。本日の会合が、朝鮮半島の非核化を含む北東アジアの平和と安定という共通の目標を達成する上での新たな第一歩となることを希望して、私の冒頭の挨拶とさせて頂きます。

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