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平成17年9月
(1)廃棄の対象:北朝鮮は、すべての核兵器及び既存の核計画の放棄、並びに、NPT及びIAEA保障措置に早期に復帰することを約束。
(2)平和的利用:北朝鮮は、原子力の平和的利用の権利を有する旨発言。他の参加国は、この発言を尊重する旨述べるとともに、適当な時期に、北朝鮮への軽水炉提供問題について議論を行うことに合意。
(3)国交正常化:米朝、日朝の国交正常化を六者会合の最終目標の一つに。日朝両国が、平壌宣言に従って、不幸な過去を清算し懸案事項を解決することを基礎として、国交を正常化するための措置をとることを約束。
(4)その他の論点:その他、項目としては、北朝鮮に対する経済協力、エネルギー支援、地域の安定(平和協定)等が盛り込まれている。
(1)軽水炉提供問題
北朝鮮が、核廃棄の対価として軽水炉の提供を求めた。
(2)ウラン濃縮計画
北朝鮮は、引き続き一貫して否定。再処理と並んでウラン濃縮を禁止する92年南北非核化宣言を共同声明に盛り込むことで対処。
(1)共同声明の採択
一昨年8月に始まった六者会合で初めての合意文書。かつ、その中で、北朝鮮が「全ての核兵器及び既存の核計画」の検証可能な放棄に約束している意味は大きい。核問題の平和的解決に向けた重要な基礎。今回は目標。今後、具体化の議論。
(2)米朝及び日朝国交正常化の位置付け
米朝及び日朝の国交正常化が六者会合の最終目標の一つとして記された。六者で懸案解決の重要性を確認し、六者会合と日朝関係を、また、日朝と米朝関係改善を関連づけ。今後の日朝関係や懸案解決に意義ある成果。
(3)立場の隔たり、相互不信は残る
議長国・中国からの働きかけもあり、米朝双方とも最終段階においては合意を重視し、妥協したが、北朝鮮が核廃棄の代償として軽水炉提供に拘ったこと等もあり、米朝双方に不信感、心理的しこりを残した。
(1)11月初旬の再開
今後は、今回の共同声明を実施に移すための具体的方途、特に廃棄等の手順や検証問題に関する各論の交渉を進めていく段階へ。第5回会合を11月初旬に再開することで原則合意したものの展望は厳しい。
(2)日朝政府間対話の再開努力
今回の会合では連日、日朝二国間で協議。北朝鮮側の前向きな反応を踏まえ、早期に対話再開の具体化に努力。