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平成21年10月3日
3日午後3時30分(日本時間3日午後5時30分)から約45分間、第2回日メコン外相会議に出席するためカンボジア・シアムリアップを訪問中の岡田克也外務大臣は、ニャン・ウイン・ミャンマー外相と会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。
(1)岡田大臣より概要次のとおり述べました。
2010年の総選挙が、すべての関係者が参加する形で公正にかつ透明性をもって実施されることを期待しており、9月17日に百数十名の政治犯を含む受刑者の釈放が実施されたことを前向きの動きとして評価するとともに、スー・チー女史を含むすべての政治犯が2010年の総選挙までに釈放されることを期待する。スー・チー女史の最近の動きを真摯に受け止めて対話を行うことを期待する。米・欧のミャンマーに対する政策が変わってきており、今はミャンマーにとってチャンスであって、2010年の総選挙は、国際社会がミャンマーに理解を示せるかどうかのきっかけとなるものである。
(2)これに対し、ニャン・ウイン外相は概要次のとおり述べました。
ミャンマー政府は2010年に総選挙を実施することを公表しており、公正に実施したい。政府の方でどの政党が参加できるか、どの個人が参加できるかを決めるつもりはなく、それらは近く制定される選挙法及び政党法によって規定される。スー・チー女史に対する判決については、政府が刑を減刑し自宅軟禁措置としたが、女史の行動次第で自宅軟禁の期限内であっても恩赦を行う可能性がある。同女史の対ミャンマー制裁解除に関する動きについては、自分(ニャン・ウイン外相)は国連総会に出席するためニューヨーク滞在中にインターネットで知ったので、帰国後よく調べたい。
岡田大臣より、国際社会においては、ミャンマーと北朝鮮との関係に関心が持たれており、核兵器開発に関しても両国の関係が取りざたされている、国際社会の目は極めて厳しい旨述べました。
これに対し、ニャン・ウイン外相は、ミャンマーは、東南アジア非核兵器地帯条約に署名しており、国連においても核廃絶に関する決議案を提出してきている、また、先日の国連総会においても、核廃絶についてテイン・セイン首相のスピーチの中で触れている、原子力の平和利用については関心があるが、ミャンマーが核兵器を持つべき理由はない旨述べました。
岡田大臣より、2007年に発生した長井健司死亡事件に関し、事件の真相究明およびカメラ等の遺留品の返還に引き続き協力してほしい、これは多くの日本人の気持ちである旨述べました。これに対し、ニャン・ウイン外相は、これまでミャンマー内務省および警察が説明を行っているが、同事件は多くの人が集まり混乱した中で起きた事件であり、遺留品については全国で捜索を行っているが未だ見つかっていない等説明しました。
岡田大臣より、11月に開催される日メコン首脳会議へのテイン・セイン首相の出席を歓迎する旨述べました。これに対し、ニャン・ウイン外相より、同首相が出席する方向で調整しており自分(ニャン・ウイン外相)もその際に同行したい、本日のように直接会って対話を行うことは両国間の信頼関係の向上に資するものであると考える旨述べました。