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平成19年1月25日
アルマンド・エミリオ・ゲブーザ・モザンビーク共和国大統領は、日・モザンビーク外交関係樹立30周年である本年、大統領夫人及び関係閣僚とともに1月21日(日曜日)から1月24日(水曜日)まで、我が国の招待(公式実務訪問賓客)により来日したところ、概要及び評価は以下のとおり。
(1)来日中、ゲブーザ大統領夫妻は、1月22日に天皇皇后両陛下との御会見を行い、宮中午餐に出席した。また、23日、ゲブーザ大統領は安倍晋三総理大臣と首脳会談を行い、引き続き、ゲブーザ大統領及び安倍総理の立ち会いの下、モザンビークに対する無償資金協力「ザンベジア州及びテテ州地方道路橋梁建設計画」及び「マラリア対策計画」に関する交換公文の署名が行われた。ゲブーザ大統領夫妻は、その後、安倍総理夫妻主催夕食会に出席した。
(2)大統領は、滞在中、河野衆議院議長、森喜朗元総理(日・AU友好議連会長)、大野功統衆議院議員(日・モザンビーク友好議連会長)、矢野哲朗参議院自民党国会対策委員長等との会談、政府関係機関、日本企業関係者による表敬、在京モザンビーク大使館及び日本貿易振興機構(ジェトロ)主催ビジネス・セミナーへの出席、日・モザンビーク外交関係樹立30周年記念レセプションへの出席等、限られた日程の中で、数多くの我が国要人や幅広い官民関係者等との間で協議・意見交換を行った。
(3)また、大統領は東京都大田区の北嶋絞製作所(金属板絞り部品加工)を視察し、日本が誇る「ものづくり」の技能に大きな関心を示したほか、大統領夫妻は、茶道体験を行い、日本文化への理解を深めた。
(4)安倍総理との首脳会談の概要は以下の通り。
(イ) 安倍総理から、日・モザンビーク外交関係樹立30周年を迎えた今月に実現した本件訪日が二国間関係の更なる強化につながることを確信していると述べた上で、我が国は、PKO法に基づくアフリカ初のPKO要員派遣(1993年~1995年)やODAを通じて、モザンビークの政治的安定と経済・社会開発を積極的に支援してきていることを紹介した。これに対し、ゲブーザ大統領から、日本のモザンビークに対するこれまでの貢献に深く感謝するとともに、青年海外協力隊を含む日本の種々の経済協力は、モザンビーク政府が進めている改革を一層促進するものである旨発言した。また、大統領から、天然資源等のモザンビークの潜在的可能性について説明があり、日本の民間投資への期待が表明され、また、日・モザンビーク・ベトナムの三角協力につき要請。総理からアジア・アフリカ協力促進の観点から検討したい旨応答。
(ロ) 総理から、TICADプロセスを基軸とした我が国のアフリカ重視政策は不変であると述べた上、2008年に開催予定の第4回TICADへのゲブーザ大統領の出席を要請。大統領は、TICADは日本とアフリカがアフリカの開発について共に話し合うことのできる唯一の機会であり、日本とアフリカの友好関係の証でもあるので、喜んで出席するとの回答があった。また、G8がアフリカを取り上げることに謝意を表明。
(ハ) 国連改革につき、総理から、モザンビークの日本の安保理常任理事国入りへの支持に感謝した上で、安保理改革の早期実現のためのモザンビークの協力を要請したところ、大統領から、アフリカ諸国は安保理改革を支持しており、モザンビークとしても改革の実現に向けて取り組んでいきたいとの発言があった。
(ニ) 総理から、北朝鮮の核問題及び拉致問題について説明を行ったところ、大統領からは、日本人拉致問題を残念に思っており、一日も早く解放されることを願っており、モザンビークとしてできることは協力したいとの発言があった。
(1)日本とモザンビークは本年1月に外交関係樹立30周年を迎えたが、そのタイミングで、親日家として知られるゲブーザ大統領の訪日が実現したことは、良好な両国間関係の更なる強化につながるものであり、意義深い。
(2)ゲブーザ大統領は、今回の訪日で我が国の要人等との会談等の多忙な日程をこなした。これら会談の中で、同大統領よりTICADプロセスを基軸とした日本のアフリカ政策及びモザンビークに対するこれまでの貢献に深い謝意が繰り返し表明されたほか、二国間関係、アフリカ開発、国連安保理改革、北朝鮮問題など幅広い話題についての意見交換がなされ、2008年開催予定の第4回TICADを念頭に日本のアフリカ重視の姿勢が強調・確認され、両国の協力関係が一層強化された。
(3)モザンビークは1992年の内戦終了後、着実な経済成長を遂げている。ゲブーザ大統領はモザンビークの資源等の潜在性を繰り返し強調しており、今後、日本からの民間分野の投資への期待に応えていく方策を検討する必要がある。