中東

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日本・アラブ会議
新しい日本・アラブ・パートナーシップに向けたアレキサンドリア宣言 A New Dawn: Arabs Looking East (仮訳)

2007年11月20-21日 於:アレキサンドリア

 「日本・アラブ会議」は、日本とアラブ世界とのパートナーシップの更なる強化と拡大を目指し、日本とアラブ世界の政府、市民社会からの代表の参加を得て、2007年11月20、21日にエジプトのアレキサンドリアにおいて開催された。本会議は、エジプト外務省及びアラブ連盟後援の下、また、日本政府の協力を得てアレキサンドリア図書館によって主催された。

 本会議には、政治家、学者、ビジネスリーダー、科学者、芸術家、市民社会からの代表等、幅広い分野から17ヵ国250名を超える参加者が集まり、日本とアラブ諸国が共通の利益と関心を有する諸課題と、相互の協力関係をより高い次元まで進めていく方法について議論を行った。これらの諸課題は、「政治・外交」、「経済・財政」、「文化・社会」、「科学技術・環境」の4つの分科会において議論された。議論は率直、有意義かつ友好的に行われ、参加者は関係を強化するための様々な提案を検討した。

 会議の終わりにあたり、参加者は複雑となった世界における深刻な諸課題に対処するために、日本とアラブ諸国の協力を強化することの重要性を確認し、以下の声明を採択した。

  1. 我々は、長い歴史を持つ固有の文化・文明を有する日本とアラブ諸国が、グローバル化が進展する世界において、独自の文化と伝統的な価値を維持しつつ、持続可能な発展を目指す上で相互に補完し合うことができると確信する。急速な経済発展を成し遂げつつも豊かな文化を維持した日本の成功を認識するとともに、近代化と改革を成し遂げようとする現代のアラブ世界への日本の支援と協力に対するアラブ諸国の希望に留意するものである。
  2. 我々は、日本とアラブ諸国との二国間関係が、これまで、エネルギー分野を中心に主として経済分野において、着実に発展してきたことに満足の意を表しつつ、将来の日本・アラブ関係を、より幅広い経済活動により新たなレベルにおける協力へと進めていく時期にあると確信する。また、我々は、ハイテクに関する投資、IT、電気通信、ナノテク、ジェネリック製薬などの経済的パートナーシップの新領域に拡大していく可能性について議論した。参加者は石油を超えて、上述の新技術からの恩恵を得るべく再生可能なエネルギーについて様々な問題を討議した。
  3. 我々は、また、あらゆる改革の核心部分において、そして経済及び社会の開発の基礎において人材育成を推進することが急務であると考える。そのため、我々は、教育の向上と職業訓練が近代化と改革の努力の中での最重要課題と位置づけられるべきであるという点で一致した。かかる点に留意しつつ、我々は、日本とアラブ諸国間での教育・文化交流の機会を増やしていく可能性について議論した。
  4. 我々は、気候変動が、経済発展と同様に、全人類にとって人間の安全保障の実現という目標と緊密に関連した課題であることについて一致した。この目標の実現のために、省エネルギーに貢献する革新技術の開発が死活的に重要である。気候変動問題への共通の懸念を共有し、我々は地球温暖化に対処するために協力していく。
  5. 我々は、中東地域の継続する対立と不安定化の兆候を深く憂慮し、我々が世界の重要な地域であるこの地域の平和と安定に向け、協力していくことを再確認した。特に、我々は、アラブ・イスラエル紛争の恒久的、公平かつ包括的な解決を確保することがこの地域のみならず国際社会にとっても最も重要な問題の一つであることを強調する。我々は、パレスチナの活力ある経済自立化に向けた「平和と繁栄の回廊」構想への日本の努力を賞賛し、日本の中東地域への積極的な関与が継続することを歓迎する。
  6. 我々は、「日本・アラブ会議」が時宜を得て開催されたことを、日本とアラブ諸国との相互理解と協力の更なる促進に向けた共通の努力として歓迎する。
  7. 本会議における有意義な議論を土台として、我々は、今回の会議によって創られたモメンタムをどのように維持していくか、また、将来的に同様の会議を含めフォローアップの会合を開く可能性を検討することに同意する。
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