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マレーシア第14代国王アブドゥル・ハリム・ムアザム・シャー陛下
及び同王妃陛下の国賓訪日(概要と評価)

平成24年10月5日

1 概要

  1. (1)マレーシア第14代国王アブドゥル・ハリム・ムアザム・シャー陛下及び同王妃陛下は,10月1日(月曜日)から国賓として訪日され,10月5日(金曜日)に離日されました。
  2. (2)国王王妃両陛下の訪日中には,皇居において歓迎行事,天皇皇后両陛下御会見,宮中晩餐が行われるとともに,迎賓館において天皇皇后両陛下による御訪問,野田総理大臣夫妻による表敬が行われました。
  3. (3)このほか主な日程として,国王陛下は我が国経済団体共催の歓迎昼食会に出席され,王妃陛下は児童養護施設を訪問されたほか,国王王妃両陛下で東京スカイツリー等を視察されました。

2 主要な個別行事

(1)宮中晩餐

  1. ア 天皇皇后両陛下を始めとする皇族方が出席され,宮中晩餐が催されました。天皇陛下は,お言葉において,国王王妃両陛下に対する歓迎の意を表されるとともに,東日本大震災に際してマレーシアから示された心温まる厚情に対し改めて感謝の意を表されました。また,1957年の国交樹立後,特に東方政策をもって培われてきた両国の友好関係が,今回の国王王妃両陛下の御訪問により,ますます強化されることを祈念されました。
  2. イ 国王陛下からは,御答辞において,手厚いおもてなしに対して謝意を表されるとともに,天皇皇后両陛下とマレーシアの深い関係に対して敬意を表されました。また,昨年の東日本大震災後の我が国国民に対し,「貴国が世界の卓越した国々の中で引き続き競争力ある力強い国でありつづけるものと信じております」と述べられました。さらに,両国の経済関係の重要性について述べられ,東方政策30周年や青少年交流プログラムを通じた交流の成果を評価された上で,このように培われた友好親善関係によって両国間の良好な関係が今後も続くであろうことを喜ばしく思うと述べられました。

(2)野田総理大臣夫妻による表敬

  1. ア 野田総理大臣から,国王王妃両陛下の国賓訪日を歓迎するとともに,東日本大震災の際の支援とお見舞いに対する謝意を表し,東方政策30周年を迎えた両国関係が様々なレベルで一層強化されることへの期待を表明しました。
  2. イ これに対し,アブドゥル・ハリム・ムアザム・シャー国王陛下から,今回の訪日において日本政府及び日本国民の皆様からの手厚い歓迎を受けていることに心から感謝されるとともに,日本に滞在しているマレーシア人留学生たちが日本で大変有意義な日々を過ごしていると聞いている旨述べられました。

(3)経済団体による歓迎昼食会

 国王陛下は,我が国経済5団体(日本商工会議所,日本経済団体連合会,経済同友会,日本貿易会,日本マレーシア経済協議会)の共催による歓迎昼食会に出席されました。共催者を代表して,岡村日本商工会議所会頭が歓迎挨拶において,両国の多様な分野における緊密な関係がASEANを中心とするアジア地域全体の発展を牽引していると述べるとともに,両国間の更なる関係強化の重要性を強調しました。

(4)児童養護施設訪問

 王妃陛下は,東京都内の児童養護施設「福音寮」を訪問され,理事長等から施設の概要につき説明を受けられた後,寮生がマレーシアのペナン島を訪問したときの写真を熱心に鑑賞されました。また,同施設と交流のある近隣の保護者及び未就園児と一緒に折り紙や指あそびを楽しまれ,同施設に約160万円の寄附をなされました。

3 評価

  1. (1)東方政策30周年という両国にとって節目となる年にアブドゥル・ハリム・ムアザム・シャー国王王妃両陛下の国賓訪問が実現したことは,緊密な交流を維持する我が国皇室とマレーシア王室との関係を更に深める良い機会となりました。
  2. (2)国王王妃両陛下の訪日は,両国のメディアでも取り上げられ,両国国民による相手国への関心や親近感が一層高まり,両国国民間の相互理解のさらなる増進に寄与するものとなりました。
  3. (3)限られた滞在日程の中で我が国経済団体による歓迎昼食会が実現したことは,我が国とマレーシアとの良好な経済関係を象徴しているとも言え,今回の国王王妃両陛下の訪日を契機として両国経済の互恵関係が更に深まることが期待されます。
  4. (4)近年,マレーシアは,ASEAN主要国,穏健派イスラム国として,地域・国際場裡での存在感を増しており,今回の国王王妃両陛下の国賓訪日が実施されたことにより,二国間関係にとどまらない様々な分野での協力を進めるパートナーシップが一層強化される機会となりました。

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