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平成19年3月15日
エレン・ジョンソン=サーリーフ・リベリア共和国大統領は、関係議員、閣僚とともに3月11日(日曜日)から14日(水曜日)まで、我が国の招待(実務訪問賓客)により来日したところ、概要及び評価以下のとおり。
(1)来日中、ジョンソン=サーリーフ大統領は、天皇陛下との御会見を行ったほか、安倍総理大臣、安倍総理夫人、尾身財務大臣、扇参議院議長、畠中JICA副理事長との会談を行った。また麻生外務大臣主催レセプションに出席したほか、国連大学において「アフリカの開発における女性の役割」と題する講演を行った。
(2)安倍総理との首脳会談の概要は以下の通り。
(イ)安倍総理より、リベリア大統領として初となるジョンソン=サーリーフ大統領の訪日を歓迎するとともに、アフリカ初の女性民選大統領として、良い統治(グッド・ガバナンス)と国民融和、復興に尽力するサーリーフ大統領のリーダーシップを評価する旨述べた。
(ロ)ジョンソン=サーリーフ大統領よりは、これまでの我が国の支援及び今般表明された「平和の定着」の取組に対する支援に対し深い感謝の意を表明した。
(ハ)両首脳は、両国は国際場裡における重要なパートナーであり、国連安保理改革や北朝鮮問題につき今後も連携・協力していくことを確認した。
(1)いずれの会談においても、これまでの我が国のリベリアに対する支援に対し先方より深い謝意が表明され、「平和の定着」を重視する我が国の対アフリカ支援方針への高い評価が得られた。
(2)アフリカ初の民選女性大統領として国際社会からも注目され、紛争後の国家再建に着実に取り組むジョンソン=サーリーフ大統領に対し、訪日中、報道関係者からの取材依頼が多数寄せられ、大統領も精力的にこれに応えた結果、アフリカからの要人訪問としては異例と言えるほど大きく取り上げられた。
(3)安倍総理大臣夫人との会談及び麻生外務大臣主催レセプションには、神戸在住のリベリアの少女マーサ・ターケットさんと看護師の美木朋子さんが同席した。ジョンソン=サーリーフ大統領より、内戦の犠牲者であるマーサさんを支援する温かい心に感謝するとして美木さんを称え、この様な悲劇を2度と繰り返さないよう大統領として努力する決意である旨述べた。我が国とリベリアの人道分野における草の根レベルでの緊密な関係を示す一例として印象深いものとなった。
(4)リベリアから初の大統領訪日となるジョンソン=サーリーフ大統領の訪日は、我が国がリベリアに対する二国間経済協力再開を表明した直後に行われたタイムリーなものであり、良好な二国間関係がさらに強化されたと考えられる。また、北朝鮮問題や国連改革・安保理改革に関する我が国の立場への理解・支持が得られたことは、今後我が国がこれらの外交課題に取り組んでいくに当たっての重要な基盤ともなったと考えられる。