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平成20年度中南米大使会議
(議論の概要)
平成21年1月
平成20年度中南米大使会議(1月28日~30日開催)での議論の概要は以下の通り。
1.日本外交と中南米
- 中南米は、伝統的に親日的な我が国の重要なパートナー。ブラジル等の新興国の台頭、経済的な補完関係、日系人の存在等を踏まえつつ、日本外交の展開において中南米諸国との連携を強化していく。
- 米国オバマ政権は中南米に積極的に関与する方針を掲げており、米国の政策を見極めつつ、米国との連携の可能性を探求する。
- ベネズエラ等の急進的左派政権の動向、ブラジル主導による中南米統合の動き、中国、ロシア、EU等域外国の活動等についても注視する。
2.国際経済危機の波及と我が国の対応
- 世界的な経済危機は中南米にも波及し、各国とも経済情勢が悪化、未だ底が見えない状況にあるが、国によって状況や対応が異なっている。
- 各国が保護主義に陥らないよう働きかけていくとともに、経済危機からの回復に向けた国際社会の取り組みにおいて、中南米諸国の努力を支援していく。
- 中長期的には、中南米は5億5千万人の成長市場、食糧・資源の安定的な供給源として重要である。経済危機の中で我が国企業がチャンスを活かせるよう、政策金融の活用、経済連携協定や投資協定の締結、ビジネス環境の整備等を通じて支援していく。
3.環境・気候変動問題と国際協力
- 中南米の多くの国々は、我が国のクールアース推進構想を支持している。2013年以降の枠組み構築に向けて、中南米諸国との連携を強化するとともに、同構想を支持する国々に対して具体的な協力を進める。
- 環境・資源・エネルギー分野を中心に官民連携を強化しつつ、中南米諸国の安定的な発展に向けた努力を効果的かつ効率的に支援する。
4.今年の中南米外交課題
- 本年、我が国でFEALAC(アジア中南米協力フォーラム)外相会合の開催し、アジアと中南米の交流促進において主導的な役割を果たす。
- 日本メキシコ交流400周年を始めとする周年事業を効果的に活用し、中南米諸国との交流の幅を拡大する。
- 経済危機の中で困難に直面している在日ブラジル人・ペルー人等の問題について、外交的視点から積極的に取り組む。