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平成18年度中南米大使会議
(議論の概要)
平成19年1月
平成18年度中南米大使会議(1月22日~24日開催)の概要は以下のとおり。
I. 中南米諸国の新たな政治潮流
現状認識
- 民主化の進展に伴い、低所得者層の幅広い支持を基盤とした政治勢力が台頭。長年の懸案である貧困削減、貧富の格差解消等、社会開発への取り組みを強化。資源ナショナリズムの傾向。
- 一部の国で対ブッシュ政権批判を掲げる政権あるも、大多数の国は現実路線(市場経済、堅実なマクロ政策)の枠内で社会開発を追求。
- 中南米における地域外交の新たな動き(太平洋岸諸国は米国との二国間FTAを追求、これに対しブラジルはメルコスール・南米共同体の統合プロセスを推進)
今後の施策
- 関与に努め、適切な社会開発政策を支援し、中南米の安定的発展に貢献。これが結果として対米協調。
- 新政権との関係構築のため、首脳・外相レベル等要人間の対話促進。
- 国際問題(安保理改革、北朝鮮問題等)への対応における親日的姿勢の維持。
II. 中南米地域の経済的重要性
現状認識
- 中南米のマクロ経済は堅調。
- 豊富な資源。但し国家管理強化の傾向(ベネズエラ、ボリビア等)
- メキシコとのEPAには目覚ましい効果あり。チリとも近々EPA署名。
- 中国の中南米におけるプレゼンスの増大(資源関連貿易・投資の急増)
- 新たな分野での可能性(ブラジルのデジタルテレビ日本方式の導入、CDM、エタノール等)
今後の施策
- 我が国ビジネスの中南米におけるプレゼンスの回復支援:経済リーダーの理解増進、経済ミッション派遣、ビジネス協議の強化、中南米におけるビジネスチャンスの紹介(例:パナマ運河拡張計画)、大型案件の発掘(新規資源開発案件)、EPAを梃とした投資環境改善への働きかけ(メキシコ)
- 資源ナショナリズムへの対応:政府間協議の活用、我が国企業との連携、経済協力・政策金融の効果的活用
III. 中南米地域における外交力強化の方策
現状認識
- 中南米は対日感情は良好、また、国際場裡における我が国の立場の良き理解者。
- カリブ海地域における2大使館体制では適切な対応困難。
今後の施策
- 外交力強化に向けた取り組み:要人往来の強化に加えて、議員外交、経済リーダー交流を積極的に活用し、交流の厚みを増す。
- カリブ共同体14カ国(ハイチを含む)における我が国の外交実施体制の強化、中南米の専門家としてのスペイン語要員の育成。