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平成20年度 招へいプログラム
「21世紀日伯指導者交流計画:ブラジル若手日系リーダー招へい」
概要と評価

平成20年5月

  • 4月22日(火曜日)から30日(水曜日)までの9日間、2008年の「日本ブラジル交流年」(日本人ブラジル移住100周年)を記念し、招へいプログラム「21世紀日伯指導者交流計画:ブラジル若手日系リーダー招へい」を実施。
  • 本計画では、将来、日系社会及びブラジルの社会において指導的地位に就き、両国間の「架け橋」として活躍することが期待される日系ブラジル人青年25名を訪日招へいした。
  • 本招へいプログラムの実施は、各参加者が自らのルーツとしての日本に対する理解を深め、日本・ブラジル両国関係強化における自らの役割について認識を深め、日系人の存在という日伯両国間の絆をより強固なものにすることに寄与した。
  • 日本・ブラジル両国間の青年交流は、2006年7月の日伯21世紀協議会による提言においても言及されており、「日本ブラジル交流年」の成功及び両国関係の一層の緊密化に大きく資するものである。

1.概要

(1)講義

 三田千代子上智大学教授により「日本とブラジル両国間の歴史と日系人」、小林利郎日伯中央協会理事により「日本の政治経済」、森本公誠東大寺長老により「日本人の宗教と世界観」に関する講義を実施したほか、「日本外交」、「在日ブラジル人問題」についても講義を行った。講義中は質疑・意見交換が活発に行われた。

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(2)表敬・懇談

(イ)自民党では柴山昌彦議員および猪口邦子議員、公明党では遠山清彦議員、西博義議員および木庭健太郎議員への表敬・懇談が行われ、日伯関係等について積極的に意見交換が行われた。

(ロ)高井正夫JICA横浜国際センター所長、蔵本文吉JICA中南米部長、塚田千裕海外日系人協会理事長をそれぞれ表敬した。

(3)皇太子殿下御接見、日伯交流年・日本人移住100周年記念式典出席

 皇太子殿下への御接見が行われたほか、4月24日(木曜日)には都内にて日本政府主催の「日伯交流年・日本人ブラジル移住100周年記念式典及びレセプション」に出席し、4月28日(月曜日)には兵庫県日伯交流年実行委員会主催「日伯交流年・ブラジル移住100周年記念式典およびレセプション」へ出席した。

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(4)施設訪問・視察

(イ)静岡県浜松市への訪問では、在日ブラジル人を多く受け入れている公立学校(佐鳴台小学校)および南米系外国人学校(ムンド・デ・アレグリア校)での取組みを視察し、教師・児童との意見交換を行った。その他、浜松市役所や浜松国際交流協会関係者から、多文化共生の社会作りにつき説明を受けたほか、地元NPO代表、在日ブラジル人代表者より、地域での取り組みや経験につき紹介を受けた。参加者たちは、在日ブラジル人の抱える各種問題と右の解決に向けた地域社会の努力につき理解を深めた。

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(ロ)また、パナソニックセンター、海外移住資料館(横浜)、旧神戸移住センター(神戸)を訪問した他、地方視察先の広島では、平和記念資料館を訪問、被爆者による講話も聴取し、平和の大切さにつき理解を深めた。また、京都では寺院仏閣を訪問したほか、座禅や茶道も体験するなど、日本の歴史・文化につき見識を深めたほか、京エコロジーセンターを訪問し、地域の環境保全取り組みにつき理解を深めた。

2.評価

(1)本招へいプログラムの実施は、各参加者が自らのルーツとしての日本に対する理解を深め、日本・ブラジル両国関係強化における自らの役割について認識を深め、日系人の存在という日伯両国間の絆をより強固なものにすることに寄与した。

(2)また、日本・ブラジル両国関係を考える上で重要な位置を占める在日ブラジル人問題についても認識させ、我が国の地方自治体の取組み努力につき理解させることで、複合的側面から両国間関係を考えさせ、両国双方のバランスの取れた視点を持った人材を育成することに寄与した。

(3)参加者からは、本招へいプログラムへの参加を通じ、日系人としての自覚を新たにし、今後自らのルーツに誇りを持ち、ブラジル日系社会の内外で、日伯両国の架け橋として活躍していきたいとの決意が表明された。また、在日ブラジル人問題、特に子女の教育問題についても関心高く取り組んでいきたいとの声も聞かれた。

(4)特に、本招へいプログラムを通じ、被招へい者間の関係が深まったことは、将来指導的立場に就くことが期待される日系ブラジル人同士のネットワーク強化にも寄与し、今後、各参加者が日本とブラジルの「架け橋」として、一層積極的な役割を果たすことが期待される。

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