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第15回日本・中米「対話と協力」フォーラム
共同コミュニケ
2012年7月27日,マナグア
- 第15回日本・中米「対話と協力」フォーラムが,2012年7月27日,ニカラグア共和国マナグア市において,中米統合機構(SICA)諸国(以下「SICA諸国」という。)の外務次官等各国代表,日本の外務省中南米局長,及びSICA事務局長の間で開催された。
- 双方は,様々な分野におけるよりハイレベルの交流が継続的に増進されていることに満足の意を表した。双方は,2015年が日本と多くのSICA諸国の間の外交関係樹立80周年及び「東京宣言」並びに「行動計画」の採択10周年に相当することに鑑み,外交ルートで後に合意する場所において同年に日・SICA首脳会談を実現するとの希望を共有した。
- 双方は,2005年の「東京宣言」に基づき,日本とSICAの間の政治,経済,協力関係が着実に進展してきていることに満足の意を表明した。また,双方は,既存の協力の強化及び「東京宣言」と「行動計画」の定期的なフォローアップを行う合同メカニズムの設置に向けて,行動計画の柱とその実行を双方が直面している新たな現状に適合させる必要性を認識した。上記を踏まえて新たに作成される文書は次回の日・SICA首脳会談で採択されるであろう。
- 日本は,2011年3月に発生した東日本大震災からの復興は確実に進展しており,今後も開かれた復興に向けて努力していくことを表明した。また日本は,東京電力福島第一原子力発電所事故の検証から得られる知見と教訓を国際社会と共有し,国際的な原子力利用の安全性向上に貢献していくことを表明した。
- 日本は,2012年7月3日及び4日に開催された「世界防災閣僚会議in東北」におけるSICA諸国の参加に謝意を表した。双方は,本フォーラムにおいて,同会議の成果をいかなる形でSICA諸国において活かすかにつき有益な意見交換を行った。
- 日本は,SICA諸国との経済協力政策協議等を通じ,防災分野を中心としたこれまでの実績を踏まえ,その効果がSICA全体に波及するような広域協力の可能性を追求していく意思を表明した。SICA諸国は,これまでの日本の協力に謝意を表明すると共に,引き続きの協力,特に災害の包括的リスク管理に焦点を当てた協力に期待を表明した。
- SICA諸国は,本年6月の国連持続可能な開発会議(リオ+20)における日本のイニシアティブに感謝し,日本は右イニシアティブに基づき引き続き支援を行っていくことを約束した。
- 双方は,気候変動問題に共同で取り組む喫緊の必要性及びこの問題に関する対話を強化することの重要性を確認した。また双方は,2011年南アフリカ・ダーバンにおいて開催された国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)の成果を評価し,2012年11月及び12月にカタール・ドーハで行われる次回締約国会議(COP18)で具体的な成果を出すことの重要性を認識した。
- SICA諸国は,2011年7月に作業を終了した日・中米経済交流促進ワーキングチームにおける議論を踏まえ,輸出産品の特定や投資案件の情報提供のための情報交換メカニズムを立ち上げていくとの希望を表明した。
- 双方は,SICA域内に投資を行っている日本企業関係者の参加を得て,本フォーラムで日本企業との特別セッションを実施したことに満足の意を表した。この意味において,本フォーラムの参加者は,貿易と域内における日本企業からの投資の増加及び多様化を増進させるメカニズムにおいて努力を継続していくことを確約した。
- 双方は,第2回日・SICAビジネスフォーラムをグアテマラで開催するとの提案を改めて確認した。
- 双方は,相互に関心を有する事項,特にSICA諸国の域内統合の進展や日本の現状と展望について意見交換した。
- また双方は,市民の安全及び社会的正義が確保された中で社会経済開発の目標を進めるべく,地域の治安に関してSICA諸国が直面している課題を取り上げた。双方は,共有された差異ある責任の原則に基づく中米治安戦略の実行のため,国際社会が支援する必要性につき認識した。日本は,可能な範囲において,治安分野における協力を継続していくこととした。
- 双方は,地球規模課題に対処するにあたり人間の安全保障が重要な概念であるとの認識の下,人間の安全保障に基づいた協力を進めていくことで一致した。
- 日本は,地上デジタルテレビ放送日伯方式をSICA諸国において更に普及・展開していくことへの関心を表明した。
- 双方は,人権保護,軍縮・不拡散,テロ,国際組織犯罪及びその関連の犯罪,世界平和といった喫緊の課題に,より効果的かつ効率的に対処するため包括的な国連改革を継続する必要があるとの認識で一致した。
この関連で,双方は,対話を積み重ねていくことの重要性を認識しつつ,国連安保理がより代表性,実効性のあるものとなるため,国連安保理の改革の早期進展に向けて協働することとした。
- 17. 2010年1月の第4回FEALAC外相会合のフォローアップとして「東アジア中南米環境ビジネス会合」を本年日本で開催することにつき,SICA諸国は日本のイニシアティブを満足の意を以て歓迎した。
- 双方は,第16回フォーラムを2013年に東京で開催することに合意した。
- SICA諸国の外務次官等各国代表及び日本の外務省中南米局長は,この会合の成功に貢献したニカラグア共和国政府の接遇に感謝の意を表明した。
この共同コミュニケは,2012年7月27日にニカラグア共和国マナグア市において署名する。