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第11回日本・中米「対話と協力」フォーラム
共同声明(仮訳)
サンサルバドル、2008年4月4日
- 2008年4月4日、第11回日本・中米「対話と協力」フォーラムがサンサルバドルで開催され、中米統合機構(SICA)加盟国及び準加盟国であるドミニカ共和国(以下「SICA諸国」という)の外務次官ないし代表者及び日本より外務省中南米局長が参加した。同様にSICA事務局長も参加した。
- 本会合は、参加者が、様々な事項、特に日本と中米の友好・協力関係及び国際場裡におけるテーマについて意見交換を行う重要な場を提供した。
- 双方は、2005年8月の日本・中米首脳会談において採択された「東京宣言」及び「行動計画」で約した事項における成果及び進展を歓迎した。この関連で、双方は、これらの文書で示された、経済、政治及び開発協力の目標を達成するため、また他の分野におけるイニシアチブを推進するため、引き続き最大限の努力を行う意志を再確認した。
- SICA諸国は、最近の中米統合プロセスの進展に日本側と共有し、中でも、中米関税同盟設立枠組条約、2008-2017年の中米農業政策の採択、中米・メキシコ治安戦略の採択、SICAの統括上級機関の創設承認、中米抵当権の創設及び実施条約の署名、自由貿易圏創設を含む中米・EU連携協定を達成するための交渉等の進展を強調した。また、SICA各国における成功例の共有を含む経済統合プロセスの進展によって構成される地域の社会課題への取組を継続させていくことを強調した。
双方は、中米統合銀行が、金融機関として統合と地域開発の強化における重要性を認識した。
日本側は、中米統合プロセスにおける重要な成果を歓迎し、かかる重要なプロセスへの支持を再確認した。
- SICA諸国の外務次官は、中米諸国に対する日本の重要な協力並びに二国間協力プロジェクトとこれに並行する広域協力プロジェクト-特に、「行動計画」において示された防災関連プロジェクト、「中米域内協力網構想」、「中米地域特別研修」、及びホンジュラスとエルサルバドルの間のゴアスコラン河に架かる「日本・中米友好橋」プロジェクト-を実現するためにとられた種々の行動に対し謝意を表明した。また、同時に、SICA諸国は日本に対し、SICA諸国へのかかる貴重な協力を継続するよう求めた。
日本は、地域に資するプロジェクト、とりわけ統合プロセスの強化と地域の持続的発展につながるプロジェクトの実施を引き続き支援していく意図を強調した。
- SICA諸国は、広域協力を整理し、資源利用の最適化と透明性を確保することに資する「広域協力の協調と調和プロセス」を進展させるための作業を引き続き進めていくことへの関心を強調すると共に、日本に対しこれら取組に参加するよう慫慂した。この点に関し、日本側は、これら実施されている行動について承知するとともに、かかるイニシアチブへの支援を継続する意図を表明した。
- SICA諸国は日本に対し、米・中米・ドミニカ共和国自由貿易協定(DR-CAFTA)の発効に伴うチャンスについて説明し、同協定発効に伴い、中米に対する日本からの貿易や投資の拡大を慫慂した。
- 双方は、気候変動が、国際社会、とりわけ脆弱な国々の発展に影響を与える地球規模の問題であり、気候変動に関する国際連合枠組条約(国連気候変動枠組条約)に規定されたそれぞれ共通に有しているが差異のある責任及び各国の能力に従い、地球的規模での緊急の行動と対応が必要であるとの認識で一致した。この関連で、
-双方は、すべての主要排出国が責任ある形で参加する実効的な2013年以降の枠組みの構築が実現するよう、国連気候変動枠組条約に基づくプロセスにおいて緊密に協力していくことを確認した。
-SICA諸国は、日本による昨年5月の「クールアース50」提案について日本と認識を共有すると共に、本年1月の「クールアース推進構想」において表明された日本の決意と取組を歓迎し、同構想において示された日本の考え方について賛意を表明した。
-日本側は、気候変動に対処する実効的な2013年以降の枠組み構築に積極的に参加していくとのSICA諸国の決意を歓迎し、クールアースパートナーシップの枠組で構築される日本の資金メカニズムへのSICA諸国の参加を招請すると共に、SICA諸国がその国内政策及び気候変動に関する中米戦略の中で特定する優先事項を考慮に入れつつ支援の可能性を検討する。
- SICA諸国は、気候変動及び環境分野におけるSICA諸国の努力につき日本側と共有した。特に中米統合機構が推進する、2008年5月28日のホンジュラスのサンペドロスーラにて開催予定の気候変動に係る首脳会議の目的に言及した。
この関連で、ホンジュラス政府は、上記首脳会議への日本政府の参加を招待すると共に、かかる重要な行事において、クールアース50イニシァティブの目指すところについて説明するよう招請した。
日本はかかる国際的な重要性をもった首脳会議に参加する関心を表明するとともに、この問題について引き続き中米と協力していく意図を強調した。
SICA諸国は、来る7月の日本の洞爺湖で開催予定のG8先進国首脳会議のテーマとして気候変動をとりあげるとの日本の決定を満足の意をもって歓迎した。
- 双方は、大量破壊兵器の拡散、テロ、国際犯罪、感染症等の国際社会の喫緊の課題、また貧困問題を含む開発上の諸課題に効果的かつ効率的に対処しなければならないという国際社会の新たな状況に対応するため、包括的な国連改革を引き続き推し進める必要があるとの認識で一致した。
この点に関し、双方は、とりわけ、人権理事会及び平和構築委員会の創設とこれまでの活動といった成果を祝福した。また、双方は、21世紀の現実にふさわしい安保理の実現は必要であり、安保理改革に関して早期に政府間交渉を開始し、具体的成果を出せるよう、積極的に取り組むことで合意した。
- 双方は、第12回フォーラム会合を2009年に日本で開催することに合意した。
- 中米統合機構(SICA)の加盟国の外務次官ないし代表者、ドミニカ共和国の外務次官並びに日本の外務省中南米局長は、この会合の成功に貢献したエルサルバドル国民及び政府の配慮と取り計らいに感謝の意を表明した。