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前原外務大臣と(シン・ガクス)韓国外通部長官職務代行(第1次官)との会談(概要)
平成22年9月22日
9月22日(水曜日)午後1時30分(現地時間)から約30分間国連総会等への出席のためニューヨークを訪問中の前原外務大臣は,申珏秀(シン・ガクス)韓国外交通商部長官職務代行(第1次官)との間で会談を行ったところ,概要以下のとおり。
1.冒頭
冒頭,申長官職務代行から,前原大臣の外務大臣就任に対して心からお祝い申し上げる,「戦略的日韓関係を築く議員の会」の会長としてこれまでも韓日関係発展のために多大な努力をしていただいており,韓国国民は前原大臣の外務大臣就任を心から歓迎する旨の発言があった。これに対し,前原大臣から,日韓関係はきわめて重要であり,未来志向かつ戦略的な関係を構築すべく自分(前原大臣)としても努力していきたい旨述べた。また,前原大臣から,先般辞任した柳明桓(ユ・ミョンファン)前長官が辞任したことは残念であり,宜しくお伝え願いたい旨述べた。
2.日韓関係
- (1)前原大臣から,8月10日の総理談話を踏まえ,真に未来志向の日韓関係を構築すべく努力していきたい旨述べつつ,8月15日の光復節(こうふくせつ)の演説において,李明博(イ・ミョンバク)大統領が同談話を前向きに評価されたことは,今後未来志向の日韓関係のための具体的行動を始める上で極めて重要である旨述べた。これに対して,申長官代行から,李明博大統領は,総理談話について日本側の一歩進んだ努力であると評価しており,今後,談話の内容を具体的に実践していくことが重要である,特に,図書の引き渡し,在サハリン「韓国人」支援,韓国人の遺骨返還等の課題については誠意ある対応をお願いしたいとの発言があった。これに対し,前原大臣から,日本側として,今後とも総理談話にそって真摯かつ着実に努力していきたい旨述べた。
- (2)前原大臣から,李明博大統領の訪日を招請し,今後,実務的に時期等につき相談していくことで一致した。
- (3)11月のG20サミット(韓国)及びAPECサミット(横浜)に向けて,日韓間で緊密に連携していくことで一致した。
- (4)日韓EPAについて,前原大臣から,自分(前原大臣)の在任中に行いたいことの一つが,日韓EPAの交渉再開,さらには交渉妥結・協定締結である,一層強固な日韓関係を構築するためにも,日韓EPA締結が重要である旨述べ,それに向けて二国間で協力していくことを確認した。申長官代行から,日韓EPAは,日韓関係のみならず東アジア協力の発展の観点からも重要である,他方,韓国国内においては,一部の業界・企業に懸念があることも事実であり,日韓双方で,交渉再開・妥結に向けた環境整備を引き続き行っていきたい旨述べた。
3.北朝鮮問題
- (1)北朝鮮問題について,前原大臣から,天安艦事件で46名の犠牲者が出たことに改めて弔意を表すとともに,事件に係る韓国の調査結果を支持している旨述べた上で,六者会合に関し,北朝鮮は対話再開に前向きであるが,日本としては韓国の立場を支持し,日韓・日米韓の連携を重視しており,この連携なしに,日本だけが対話に応じることはない,六者会合再開については,先ずは北朝鮮が具体的な行動を示す必要がある旨述べた。
- (2)これに対し,申長官代行から,天安艦事件の処理において日本が韓国と緊密に協力し,支持してくれたことに感謝する,六者会合再開のためには北朝鮮の真摯な態度を確認する必要があるが,現時点では未だ態度を改めるに至っていない,日韓,日米韓の連携を維持しつつ,北朝鮮の出方を見極める必要がある旨述べ,引き続き,日韓,日米韓で引き続き緊密に連携していくことで一致した。