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第10回日韓ハイレベル経済協議(概要)
平成23年11月25日
24日,第10回日韓ハイレベル経済協議(日本側首席代表:西宮伸一外務審議官,韓国側首席代表:李是衡(イ・シヒョン)外交通商部通商交渉調整官,関係省庁からも参加)が東京(外務省)にて開催されたところ,概要以下のとおり。
協議においては,日韓両国経済関係は,二国間の貿易・投資の増進のみならず,地域や国際社会の中での日韓経済関係という観点から,広範なテーマについて意見交換が行われた。
1.東日本大震災への対応
韓国側からの東日本大震災に対するお見舞いの言葉を受けて,日本側から,東日本大震災時の韓国政府・国民からの多くの支援に対し改めて感謝の意を述べた。更に,5月の日韓首脳会談で合意された「東北地方復興・観光支援のための日韓パートナーシップ」の「韓国復興促進ミッション」として,翌25日に韓国側代表が韓国経済関係者と共に東北地方を訪問し,地元自治体関係者・企業関係者と意見交換等を行うことを歓迎する旨述べた。また,日本側からは,原発の状況や食品安全に関する取組みにつき説明し,航空便の再開や食品輸入措置の見直し等について協力を求めた。
2.日韓経済関係
- (1)韓国製品の日本での販売が好調である等の理由から,本年韓国側の対日貿易赤字が大幅に縮小するとの見通しを共有した上で,韓国側からは,貿易不均衡の解消に向けた動きが持続し,日韓貿易関係が拡大均衡することへの期待感が表明された。これに対し,日本側からは,日韓企業の協力による第三国への共同進出の動き等の新たな展開に言及し,日韓の貿易関係をより多角的に検討することの必要性を指摘した。
- (2)日韓間の産業間交流に関して,両国は,日韓部品素材調達商談会の成功を歓迎した。その上で,韓国側から,日韓企業間の産業交流の一層の活性化と共に,部品素材専用工業団地への日本企業の投資・進出への期待感が表明された。
- (3)いわゆる「非関税障壁」について,最近の両国の取組みを確認し,引き続き前向きに対応していくことを確認した。また,日本側から,ソウル・ジャパン・クラブ(SJC)の建議事項に対する前向きな対応の継続を要請した。
3.第三国における企業連携,エネルギー・環境分野における日韓協力
- (1)両国は,近年,両国企業が二国間の枠組を越え,第三国市場を視野に入れた連携強化の動きを活発化させ,日韓を「一つの経済圏」と捉え活動していることを確認し,このような両国企業の活動が円滑に進むよう両国政府は後押しする必要があるとの認識で一致した。
- (2)エネルギー分野における日韓協力に関し,多国間の枠組でも協力を引き続き推進していくこととした。
- (3)環境分野における日韓協力に関し,両国は,9月の日韓環境保護協力合同委員会での有意義な議論を歓迎し,環境分野での協力推進で一致した。また,日本側から,海洋漂着ゴミへの韓国側の対応を要請した。
4.両国のEPA/FTA政策
両国のEPA/FTAについては,両国のEPA/FTA政策を改めて説明した他,関連する事項につき意見交換を行った。日韓EPAに関しては,交渉再開に向けて,努力を継続することとした。