今般、アブドッラー・ヨルダン国王が来日したところ、概要と評価は以下のとおりです。
1.主要日程
- 4月1日(木曜日) 長崎平和公園訪問
- 4月2日(金曜日) 天皇皇后両陛下との御所における御昼餐、日ヨルダン首脳会談、岡田大臣による国王表敬等
2.主な随行者
- (1) ラーイヤ・ビント・アル・フセイン王女
- (2) ガーズィ・ビン・ムハンマド王子
- (3) ナーセル・ルーズィー王宮府長官
- (4) ナーセル・ジュデ外務大臣
- (5) ジャアファル・ハッサン計画・国際協力大臣
3.概要
- (1) アブドッラー国王の訪日は、約1年ぶり通算10回目(国王としては7回目)。アブドッラー国王は、東京訪問に先立ち長崎の平和公園を訪れ、献花した後、原爆落下中心地を視察した。
- (2) 経済協力に関しては、中東地域の安定と繁栄のために果たしているヨルダンの役割の重要性及びヨルダンの置かれている厳しい経済状況にかんがみ、日本側から、引き続きヨルダンへの経済支援を行っていく方針を伝えた。
- (3) また、ヨルダンが計画している原子力発電所建設について、総理から、協力を深めていくためにも、原子力協定の締結が必要である旨述べ、両首脳は、原子力協定締結交渉の開始に合意した。
- (4) この他、中東和平をはじめとする地域情勢についても議論がなされ、アブドッラー国王からは、日本は公平な立場から中東の平和と発展に貢献してくれる国だと認識している旨述べ、中東における日本の更なる役割を促した。これに対して鳩山総理から、日本として、中東地域において、公平な立場から、積極的な役割を果たすべきと考えている旨述べた。
- (5) また、アブドッラー国王にはジュデ外相、ハッサン計画・国際大臣らが随行し、岡田大臣との間で外相会談(第4回日ヨルダン政策協議)を実施。二国間関係及び中東和平を中心とする地域情勢について率直な意見交換を行った。
4.評価
- (1) 日本とヨルダンは、日本の皇室とヨルダンの王室の親密な関係を含め、友好的な関係にある。気候変動問題、種々の国際機関選挙を含め、国際場裡でも、緊密に協力する関係にある。また、ヨルダンは、中東地域において、中東和平の推進を含め、平和と発展のため、重要な役割を果たしている。
- (2) ヨルダンは、最近の世界金融危機により、国家経済が厳しい影響を受けているため、我が国の経済支援継続の方針を確認したことは、同国を支える国際的支援体制の一翼を担う上で重要。
- (3) このように、ヨルダンの国王が訪日を度重ね、その結果、両国関係が発展してきていることは、我が国外交上も有意義である。また、原子力協定交渉実現について合意しており、ヨルダンへの本邦企業の関与の動向は、今後フォローする必要がある。