5月22日(日曜日)午後4時から約20分間,菅総理大臣は,日中韓サミット出席のため訪日中の韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領との間で会談を行ったところ,概要以下のとおり(同席者:日本側から,松本外務大臣,海江田経済産業大臣,福山官房副長官,武藤駐韓国大使ほか,韓国側から,金星煥(キム・ ソンファン)外交通商部長官,崔重卿(チェ・ジュンギョン)知識経済部長官,権哲賢(クォン・チョルヒョン)駐日韓国大使ほか)。
1.日韓関係
- (1)冒頭,菅総理より,李大統領の被災地訪問を含め,韓国からの今回の震災に対する多大なお心遣いと支援への感謝を述べ,李明博大統領からは,今回の日本の震災は未曾有のものであるが,被災地の方々が毅然とした態度であられることは世界に感動を与えている,菅総理のリーダーシップの下,必ず一歩一歩前進 していくと思う,韓国も出来るかぎりの協力をしたいとの発言があった。
- (2)両首脳は,「日韓原子力安全イニシアティブ」,「東北地方復興・観光のための日韓パートナーシップ」等の原子力の安全,防災,復興,観光の分野での協力について,今後更に協力を進めていくことで一致した。
(参考1)「日韓原子力安全イニシアティブ」のポイント
- 1)原子力安全に関する国際場裡における協力
- 2)通常時の情報交換強化
- 3)緊急時の意思疎通
- 4)原子力に関するハイレベルの協議の開催等
(参考2)「東北地方復興・観光のための日韓パートナーシップ」のポイント
- 1)復興経済支援(現地展示・商談会(「復興見本市」)の開催,「韓国復興促進ミッション」の派遣)
- 2)日本産品の安全(日本産品の安全に関する情報交換及び協力)
- 3)観光・人の移動の再活性化(日韓観光交流促進に向けた取組の促進,人の交流の再活性化(留学生交流の一層の促進等)
- (3)菅総理から,改めて李明博大統領の訪日を招請し,訪日に向け引き続き両国間で調整していくこととなった。
- (4)日韓経済関係に関し,菅総理から両国の経済関係が緊密になっていることを踏まえ,日韓EPAについて早期の交渉再開を呼びかけ,日韓間で更に調整していくこととなった。
- (5)さらに,両首脳から日韓の安保・防衛協力,若い世代の交流を推進していくことについて発言があった。
2.北朝鮮情勢
両首脳は,日韓,日韓米の緊密な連携が重要であり,北朝鮮の非核化に向けた責任ある行動を求めていくことで一致した。また,両首脳は,ウラン濃縮活動への対処が重要であることで一致し,この文脈でも,日韓米の連携が重要であることを確認した。また,菅総理から韓国の拉致問題への変わらぬ支持に感謝を表明 し,李大統領から韓国にも拉致被害者が存在することに言及しつつ,理解と協力が示された。