5月22日(日曜日)11時50分から約45分間,松本外務大臣は
1 ハイレベル往来
楊部長から,改めて松本大臣の訪中招請がなされ,松本大臣から,双方の都合の良い時期に出来るだけ早期に訪中したい旨述べた。
2 東日本大震災を受けた日中協力
- (1)松本大臣から,日中首脳会談において温家宝総理から,東日本大震災を受けた協力としていくつかの具体的な提案があったことに感謝する旨述べた上で,双方は,今回,首脳会談で双方から提案のあった各協力について,日中両国の事務レベルで着実に実施していくことが重要であり,戦略的互恵関係の更なる充実化にもつながるとの認識で一致した。
- (2)双方は,20日の東京での原子力安全専門家間の協議の実施,中国側からの被災地衛星画像データの提供など,既に具体的な取組が進んでいることを評価した。松本大臣から,温総理から提案のあった国家旅遊局長を団長とする観光関係ミッション,貿易・投資促進及び復興支援のための視察団の来日を歓迎する,日本政府として最大限の努力を惜しまない旨述べた。また,松本大臣から,若手地震・防災関係者約50名を適切な時期に招待し,両国の専門家同士で意見交換をさせたい旨述べた。
3 海に関する協力
松本大臣から,東シナ海資源開発に関する国際約束締結交渉の早期再開を改めて要請すると共に,首脳会談において温総理から提起のあった,海上における危機管理メカニズムについて,外交当局,防衛当局,海上法執行機関の間で危機管理メカニズムを構築していきたい旨述べた。また,日中海上捜索・救助(SAR)協定も早期に締結したい旨述べた。これに対し,楊部長から,2008年の合意を実施に移すとの中国側の立場に変わりはなく,国際約束締結交渉の再開に向け意思疎通を図りたい,SAR協定については,両国間で早期締結を目指すことで合意しており,関連の協議を加速化させるべきである旨述べた。以上のやりとりの中で,松本大臣から,尖閣諸島に関する日本の基本的な立場を説明した。
4 各種条約・協定の締結促進
松本大臣から,日中間の社会保障協定締結を視野に入れた協議の早期開始や,受刑者移送条約及び犯罪人引渡条約の早期締結に向け双方が努力していきたい旨述べた。これに対し,楊部長から,社会保障協定については,既に担当部門間で初歩的な意見交換が行われたところである,双方がしっかりと準備を整えた上で,出来るだけ早期に締結交渉を開始することを期待する,受刑者移送条約及び犯罪人引渡条約についても真剣に協議していきたい旨述べた。
5 「映画,テレビ週間」「アニメ・フェスティバル」
双方は,6月8日からの北京及び上海における「映画,テレビ週間」「アニメ・フェスティバル」開幕行事などの機会を利用して,日中関係を推進していくことで一致した。
また,以上の他,北朝鮮について,(日中首脳会談において比較的詳しいやりとりが行われたことを踏まえつつ,)簡潔なやりとりが行われた。