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日中韓三国間協力ビジョン2020(骨子)

平成22年5月30日

 過去10年間の日中韓協力が、政治、経済、文化、人的交流の分野で目に見える実質的な成果を挙げていることに満足。三国間協力の進展に関する共同宣言、三国間パートナーシップに関する共同声明、日中韓協力10周年を記念する共同声明にて表明された共通の考え方を引き続き支持し完全に実施。

 ヒト、モノ、サービス、資金の移動や他の地域・国際情勢において日中韓協力の拡大の余地があることを確認。歴史を鏡として未来に向かうとの精神の下、三国間協力を善隣友好、相互信頼、包括的協力、互恵及び共通発展の方向に絶え間なく前進。

 次の10年間が終了する2020年までに協力を通じて達成すべき特定の目標及びビジョンを提示することで、三国間協力が三か国の共通利益のためになり、東アジア地域ひいては世界の平和、安定及び繁栄に貢献するとの認識を共有。

 以上を念頭に、以下のとおり決定。

I.三国間パートナーシップの組織化及び強化

  • 1-1.三か国のハイレベルの交流や国民間の友情の発展、首脳会議、外相会議、その他の閣僚級会議等の一層の深化及び拡大を通じた三国間の戦略的相互信頼の増進。
  • 1-2.2011年に韓国に三者間協力事務局を設立。事務局は、首脳会議、外相会議、その他の閣僚会議等の運営を支援し、協力案件の探求及び実施を促進。
  • 1-3.自然災害への対処及び北東アジアにおける災害リスク軽減のため、日中韓防災担当閣僚級会合を含む既存の組織を通じ災害関連情報、政策及び技術を共有。
  • 1-4.安全保障分野における対話の強化、及び、防衛当局者の交流・協力を進めるため、三国間防衛対話の設立の可能性を探求。
  • 1-5.国際犯罪への対処及び三国間警察協力のため、三か国の警察当局間の緊密な協力メカニズムを設立。
  • 1-6.姉妹都市関係の拡大を通じて、行政、経済、文化面での協力を強化し地方政府間の交流を促進。

II.共通の繁栄のための持続可能な経済協力

  • 2-1.2012年までの日中韓FTA共同研究の完成。共同研究を通じ、あり得べき日中韓FTAについての将来の交渉にとっての実務的な参考となる、関連問題についての共通理解を目指す。長期的には地域共通市場を含む経済統合を目指す。
  • 2-2.2020年までに貿易量を増加することを目指し、貿易円滑化を通じ貿易環境を改善。
  • 2-3.調整され効率的な三国間の運輸・物流システムを設立することは、生産コストの削減や国際競争力の改善に資することを認識。日中韓物流大臣会合や二国間政策対話を最大限活用し、北東アジアにおける運輸・物流ネットワークを発展。
  • 2-4.三国間だけでなく地域の貿易円滑化に資する税関協力の重要性を再確認。三か国関税局長・長官会議の枠組みの下での税関協力行動計画の実施を通じて税関協力を強化。
  • 2-5.日中韓投資協定の締結に向け努力し、三か国域内の投資を促進し、投資にとって良好な法的、組織的及び手続的環境を提供。また、投資資金の自由な移動のため必要な基礎を提供するよう努力。
  • 2-6.金融当局間の協力を強化し、三か国の金融機関にそれぞれの市場に進出するよう奨励。チェンマイ・イニシアティブのマルチ化(CMIM)の開始及びアジア債券市場育成イニシアティブの進展を歓迎するとともに、CMIMの有効性を高めることを含む東アジアにおける金融協力を強化。G20が主導する、グローバル金融セーフティ・ネットの改善を含む国際金融システムの強化に関する議論に積極的に貢献。
  • 2-7.開放的、公正で自由な多国間貿易及び投資枠組みは日中韓だけでなく世界の経済的繁栄にとっての基礎であるとの認識を共有。そのためにいかなる保護主義とも戦う。この関連で、ドーハ・ラウンド交渉の早期妥結を目指すことを決意し、ドーハ・ラウンドの先の多国間貿易体制の進展のための協力を強化。
  • 2-8.共同研究協力プログラム及びフォーサイト事業への財政面での支援を継続。さらに、共通の関心を有する分野の基礎研究を支援するための新たな共同基金の設立の可能性を探求。
  • 2-9.標準における協力は貿易にとっての不要な技術的障壁の除去を通じて貿易を円滑化させるための主要なツールであると確信。標準調和の研究、調和された国際標準の提案及び北東アジア標準協力フォーラムでの協力を強化。
  • 2-10.産業、エネルギー、省エネ、資源、情報通信、ハイテク、文化産業、運輸、保健、農業、漁業、観光、知的財産における政策協調について協議を継続。
  • 2-11.三か国のより調整された経済協力は域内の経済活動を促進することを認識し、上記のような措置を通じて協力を強化することにコミット。さらに、三か国の地域及び世界経済における重要な役割を認識し、特にG20及びAPECを含む国際場裏において強固で持続可能でバランスの取れた成長を実現するために協力。経済政策の相互評価に積極的に参加。

III.持続可能な開発及び環境保護における協力

  • 3-1.COP15/CMP5の結果を歓迎し、コペンハーゲン合意を支持。その前向きな結果を踏まえ、国連気候変動枠組条約の諸原則、特に、共通に有しているが差異のある責任の原則、に沿って、2013年以降の実効性のある気候変動に関する国際協力に係る枠組みの構築を含めた、COP16/CMP6の成功に向けた協力を強化。
  • 3-2.環境保護における協力強化の必要性を確信し、環境大臣による10の優先協力分野における三か国共同行動計画の実施を支持。
  • 3-3.2010年10月に愛知県名古屋市で開催される生物多様性条約COP10の成功に向け協力。また、2012年に韓国済州島で開催される国際自然保護連合の世界自然保護会議の開催を支持。
  • 3-4.地域の海洋環境の保護における協力を強化し、海洋ゴミ削減の普及啓発に努め、北西太平洋地域海行動計画(NOWPAP)の枠組みの下での海洋ゴミに関する地域行動計画実施の重要性を強調。
  • 3-5.黄砂が頻発かつ深刻化していることに留意し、モニタリング技術、予防技術及びキャパシティ・ビルディングにおける協力を強化。
  • 3-6.有害廃棄物、特に電気電子機器廃棄物対策における協力を強化。情報共有等を通じ電気電子機器廃棄物処理における協力を強化。
  • 3-7.日中韓循環経済モデル拠点の設立の探求に向けたコミットメントを再確認。

IV.人的・文化交流及び協力を通じた友好関係の促進

  • 4-1.三国間の人的交流を発展させ、日中韓友好親善を強化。
  • 4-2.文化が三か国国民の間の理解と信頼を強化することに重要な意義を有することを確信。日中韓文化大臣会合における協力を強化し、日中韓文化産業フォーラムを成功させ、UNESCOの枠組みで無形文化遺産を含む各分野における協力を強化。
  • 4-3.三国間の人的交流を著しく拡大することに努力。
  • 4-4.単位互換や共通学位を含む交換留学制度を通じ、大学の競争力及び優秀な人材の育成を強化。そのための有識者会議を引き続き開催。質保証機関間の協力を強化し、ガイドラインを共同で作成する。優秀な学生の交流を促進するための政策パッケージを検討。三国間教育協力を促進するため、既存の協議を通じ閣僚級会合の設立を支援。教員交流を促進。
  • 4-5.三か国政府により実施されている青少年交流事業を拡大。
  • 4-6.日中韓でスポーツ協力を強化。スポーツ機関・当局や運動選手の交流、スポーツに関するイベントへの参加を奨励。
  • 4-7.女性、子ども、障がい者、高齢者など社会的弱者に配慮し、各種協力を推進。

V.地域・国際社会の平和と安定に向けた共同努力

  • 5-1.朝鮮半島の非核化は北東アジアの永続的平和、安全、経済的繁栄に大きく貢献。2005年9月19日の六者会合共同声明の目標実現に向け努力。
  • 5-2.テロ根絶に向けて緊密に協力。専門家による会合を開催。
  • 5-3.麻薬関連犯罪対策分野における協力を強化。
  • 5-4.食品安全に関する基準などの情報交換、発生した問題や再発防止策について当局への適時の情報提供を通じ、食品安全の改善に努力。
  • 5-5.感染症への対処を強化するため、三国間の協力を可能性のある新規分野へ拡大。
  • 5-6.鳥インフルエンザや口蹄疫を含む家畜伝染病に効果的に対処し根絶するための協力を強化。
  • 5-7.国連を含む国際場裡における持続可能な食料安全保障における協力を継続。
  • 5-8.ASEAN+3、EAS、ARFを含む地域枠組みにおける協力を強化。東アジア協力における推進力としてのASEANを支持。長期的ビジョンとしての東アジア共同体の構築にコミット。
  • 5-9.地球規模の課題への対処のため、国連の役割が一層強化させるべきであること、2005年の国連首脳会合の成果文書等で言及されている正統性、効率性、有効性の強化のための国連改革に向けた努力が継続されるべきとの認識を共有。
  • 5-10.アフリカに関する政策対話を三か国持ち回りで継続し、関連の経験を共有しアフリカの和平と開発の支援のための効果的な方法を探求。
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