アジア

世界地図 アジア | 北米 | 中南米 | 欧州(NIS諸国を含む) | 大洋州 | 中東 | アフリカ

第3回 日本・メコン地域諸国首脳会議(概要)

平成23年11月18日

  • (写真)日メコン首脳会議で発言する野田総理
    (写真提供:内閣広報室)

 11月18日(金曜日)午前19時00分から19時40分までの約40分,インドネシア・バリにおいて,第3回日本・メコン地域諸国首脳会議(以下,「日 メコン首脳会議」と表記)が開催されたところ,概要は以下のとおり(出席者:野田総理(議長),ズン・ベトナム首相,フン・セン・カンボジア首相,イン ラック・タイ首相,テイン・セイン・ミャンマー大統領,トンシン・ラオス首相)。

1.会議の概要

  1. (1)冒頭,野田総理から,メコン地域の洪水被害に対し,お見舞いとお悔やみの意を伝えた。また,これまで2009年の第1回日メコン首脳会議において採択した「日メコン行動計画63」に基づいて日メコン協力を推進してきた旨述べた。
  2. (2)続いて,メコン地域における日メコン協力について,議論が行われた。野田総理からは,連結性の観点からミャンマーのダウェーの連結性や経済特区の開発等を内容とする総合開発調査の実施を新たに決定したほか,官民連携の重要性や,環境・気候変動,母子保健・感染症,食料安全保障・食の安全保障における 支援の重要性について述べた。
  3. (3)これに対し,メコン地域諸国より,東日本大震災の困難にも関わらず,日本が継続して実施してきている様々な協力に対する謝意が示された。具体的に は,例えば,メコン川の水資源管理の重要性が述べられた。また,「CLV開発の三角地帯」に対する支援の継続への期待が述べられた。
  4. (4)続いて,2012年の首脳会議は日本で開催すること,また,来年,「日メコン行動計画63」につづく協力の新たなテーマを策定することで一致した。
  5. (5)次に,共同声明が採択され,日メコン協力が実質的に進展しているとの認識を共有し,日メコン協力の枠組みを通じて更に協力を促進していくことを再確認した。
  6. (6)最後に,野田総理より,東日本大震災に際しメコン地域諸国も含め世界中から支援を頂いた,これは日本が行っていたことが間違っていなかったからと考える,今後も日本は内向きにもなることなく必要とされる支援を行っていきたい旨述べ会議を締めくくった。

2.共同声明の概要

 共同声明が採択され,日メコン協力が実質的に進展しているとの認識を共有し,日メコン協力の枠組みを通じて更に協力を促進していくことを再確認した。

(1)総論

  • 日メコン協力の進捗を歓迎。協力の継続をコミット。

(2)日メコン協力

(ア)総合的なメコン地域の発展
  • 2015年のASEAN共同体構築に向け,メコン域内の連結性向上とASEAN連結性向上の他の努力との相乗効果の重要性を再認識。右観点から, メコン地域諸国首脳は,ERIA主導によりJAIFを用いて行われることとなる,日本政府によるミャンマーに対するフィージビリティスタディ実施決定を評価。
  • 「日メコン経済産業イニシアティブ(MJ-CI)行動計画」の着実な実施を評価。
  • 官民連携を更に促進する必要性を留意し,昨年12月及び本年11月に官民協力・連携促進フォーラム日メコン全体会合を開催。
(イ)人間の尊厳を重んじる社会の構築
  • メコン地域の洪水被害に対する日本の支援に感謝。また,防災のための協力を更に強化する重要性を再確認。
  • 環境・気候変動問題に関する協力を更に強化する必要を認識。
  • 食料安全保障,食品安全性,母子保健及び感染症が,ミレニアム開発目標(MDG)を達成するための地域の優先課題であるとの見方を共有。
(ウ)人物・文化交流の拡大
  • 政治,安全保障,経済,文化,観光,環境,防災等に関する日メコン間の人物交流の成果を評価。

(3)地域・国際情勢

  • 北朝鮮が核兵器及びウラン濃縮計画を含む既存の核計画を放棄しなければならないこと,並びに,拉致問題などの人道上の懸念に取組むことの重要性を強調。
  • 軍縮及び不拡散の協力強化の重要性を強調。
  • 国連改革に対する支持。日本が安保理常任理事国になることにメコン地域諸国は一貫した支持。
  • 国際的な公共財としての海洋の重要性を認識。国連海洋法条約を含む,国際法への原則へのコミットメントを再確認。

(4)2012年以降の日メコン協力

  • 2012年,日本で第4回日本・メコン地域諸国首脳会議開催。2013年から2015年の次の3年間を対象とする日メコン協力の新たな柱を作ることを決定。
このページのトップへ戻る
目次へ戻る