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日メコン外相会議(結果概要)

平成20年1月17日


 1月16日、メコン地域5か国の外相(カンボジア、タイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス)を日本に招待し、初の日メコン外相会議を開催し、議長声明を発出。会議に先立ち、日ラオス投資協定、対カンボジア無償援助E/N、「開発の三角地帯」関係文書(2000万ドル)の署名式を実施。併せ、福田総理への表敬、二国間外相会談、宇野政務官昼食会、投資促進セミナー、日メコン友好議員連盟朝食会等も実施。

【背景/狙い】

 「希望と発展の流域」である同地域に対する日本のコミットメントを再確認し、日本の対アジア外交の足下を再度固める

【テーマ/アジェンダ】

1)日メコン協力:信頼・発展・安定をキーワードとして、包括的協力姿勢を示す

 「信頼」:2009年を日メコン交流年に、5年間で1万人の青年招聘
 「発展」:ODAと貿易・投資の有機的連携、東西回廊物流効率化支援として2000万ドル
 「安定」:国境を越えた問題への対処、ミャンマー情勢

2)国際場裡における協力:

 各国から国連改革、北朝鮮問題、気候変動等における日本の立場への支持表明

【特徴】

1)日ASEANセンターに投資促進セミナー(400人弱のビジネスマンの参加)、レセプションの開催(官房長官による挨拶あり)

2)日メコン友好議員連盟の設立によるバックアップ

1.日メコン外相会議(1月16日)

(1)「日メコン協力:信頼」

(イ)高村大臣から、今般、初の日メコン外相会議を開催すること、昨年、タイ、ラオス、カンボジア、ベトナム各国首脳が訪日しており、今後ともハイレベル交流を促進することを述べた。各国外相から日メコン外相会議開催への高い評価が示され、定期化及び次回会議の主催の提案がなされた。

(ロ)2009年を「日メコン交流年」としてあらゆる交流を促進することに一致した。ベトナムによる日メコン観光投資フェスティバルの提案など、メコン地域諸国から積極的な提案がなされた。

(ハ)高村大臣から、5年間で1万人の以上の青年の受け入れや、2008年及び2009年に日メコン青年交流の実施を表明した。

(2)「日メコン協力:発展」

(イ)高村大臣から、ODAと貿易投資促進を有機的に結びつけ協力を促進し、「日メコン地域パートナーシップ・プログラム」に基づくODA拡充、「開発の三角地帯」支援案件候補リスト(約2000万ドル)決定、東西回廊等の物流円滑化支援(約2000万ドル)を表明した。各国外相から日本への高い評価が示された。物流円滑化支援の調整のための高級事務レベル会合開催を決定し、ラオス提案により、ラオスが主催することとなった。また、各国外相より、インフラ整備に対する我が国の協力への高い期待が示された。

(ロ)本会議前に、日ラオス投資協定に署名した。高村大臣から、経済連携協定(EPA)、投資協定、官民投資対話など貿易投資促進の取組を紹介し、各国外相から日本企業の投資拡大に大きな期待が示された。

(ハ)タイ外相から、開発パートナーとしての地域での取組が紹介された。

(ニ)各国外相から、地域の日本のコミットメントに大きな期待が示された。

(3)「日メコン協力:安定」

(イ)国境を越える問題への取り組み促進で一致。ベトナムの国立衛生疫学研究所を地域協力に活用するなど、二国間協力を広域協力に拡大することが有意義であることに一致。

(ロ)カンボジア外相より、法整備支援やクメール・ルージュ裁判への支援への謝意表明がなされた。

(ハ)高村大臣より、ミャンマーの民主化促進の重要性を指摘したのに対し、ミャンマー外相より、国連との協力や民主化プロセスへの取組の表明があった。

(4)「国際場裡における協力」

(イ)北朝鮮に関する諸懸案(核、ミサイル、拉致)の解決の重要性について見解を共有した。

(ロ)国連安保理改革の早期実現の必要性に一致し、日本の常任理事国入りへの支持が表明された。

(ハ)気候変動に関し、すべての主要排出国が参加する実効性のある国際的枠組を構築するため協力していくとの考えで一致した。

2.福田総理表敬(16日)

 福田総理より、我が国が一貫してメコン地域を重視しており、地域を「希望と発展の流域」とすべく、協力していく旨伝えた。

3.我が国とメコン地域各国との二国間外相会談(16-17日)

 高村外務大臣とメコン地域5か国の外相すべてとそれぞれ個別に会談し、二国間関係等について議論した。

4.宇野政務官主催昼食会(16日)

 宇野政務官より、日本とメコン地域諸国は長年の友好関係にあり、日本は同地域の発展に向けて協力してきた、その友好・協力関係が、今般の会議を通じて更に強化されることを願っている旨伝えた。

5.日メコン友好議連朝食会(17日)

 昨年12月に設立された日メコン友好議連が各国外相と会合を行い、我が国とメコン地域の友好促進のための議論を行った。

6.メコン地域投資促進セミナー(17日)

 日本のビジネス関係者を中心に約430名が参加し、投資促進セミナーが盛況に開催された。各国外相がパネリストとして、各国の魅力を直接アピールした。また、セミナー後のレセプションは、各国外相と日本のビジネス関係者が直接交流する機会となった。

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