中東

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リヴニ・イスラエル筆頭副首相兼外務大臣の来日
(概要と評価)

平成18年1月22日

 ツィピ・リヴニ・イスラエル筆頭副首相兼外務大臣は、1月17日(水曜日)から20日(土曜日)の日程で訪日したところ、概要と評価は次のとおり。

1.概要

(1)リヴニ外相は、1月17日(水曜日)、麻生外務大臣との外相会談及び夕食会を行った。

(2)また、同外相は、安倍総理への表敬を行った。さらに、甘利経済産業大臣、緒方JICA理事長と会談を行ったほか、外国人記者クラブでの記者会見を行った。

(3)麻生大臣との外相会談及び夕食会(17日)では、会談の冒頭、日イスラエル政治対話の強化に関する覚書の署名式を行った。また会談では、両外相は、二国間関係の発展に向けた種々の施策について協議するとともに、中東情勢(中東和平、イラン等)について幅広く意見交換を行った。その概要は以下のとおり。

(イ)二国間関係では、麻生大臣より、昨年7月の日イスラエル首脳会談のフォローアップとして、二国間関係では、政治、経済、文化の3点で取り組んでいく、具体的には、政治面では、両国間の政治対話の強化、経済面では、本年前半中のビジネス・ミッションの派遣、文化面では、中東交流・対話のための専門家の派遣を行う旨述べた。これに対しリヴニ外相より、二国間関係強化に向けた取組に感謝の意が表されるとともに、JICAを通じた第三国協力、宇宙開発及び研究開発の分野で協力したい旨述べた。

(ロ)地域情勢では、リヴニ外相より、中東の地域情勢では、イラン等の過激派と穏健派の対立の構図となっている、イランのイスラム主義の伸張とイランの核開発について懸念する、国際社会は穏健派を助け、過激派の力を削がなければならない、この観点から、日本のアッバース大統領支援に感謝する旨述べた。これに対し麻生大臣より、中東の安定は日本にとって極めて重要である、我が国は中東和平のためにイスラエル、パレスチナ、ヨルダン及び日本の4者でヨルダン渓谷の開発を図る「平和と繁栄の回廊」構想を推進していくことが重要である旨述べた。

2.評価

(1)リヴニ外相の訪日は初めてであるが、オルメルト内閣NO.2の筆頭副首相であるとともに、将来のイスラエルの指導者として有望であることから、同外相との関係強化は日イスラエル間の関係発展上有意義であった。

(2)また、政治対話の覚書の署名やそのほか二国間関係の強化の施策について議論できたことは、今後より一層の発展強化を図る上で有用であった。

(3)中東和平の一方の当事者であるイスラエルと、中東情勢について協議を行い、特に「平和と繁栄の回廊」構想の推進について、協力して取り組んで行くことを確認することができたことは、我が国の対中東外交にとり極めて有意義なものとなった。

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