アジア | 北米 | 中南米 | 欧州(NIS諸国を含む) | 大洋州 | 中東 | アフリカ
平成19年3月22日
3月22日(木曜日)14時25分から約35分間、安倍晋三総理大臣は、来日中のムカジー・インド外務大臣の表敬を受けたところ、やりとりの概要は以下のとおり。
ムカジー外務大臣より、シン首相からのメッセージとして、あらためて安倍総理のインド訪問を招聘したいとの発言があり、安倍総理からは、訪印を楽しみにしている。本年中の適切な時期に訪問したいと述べた。
安倍総理より、(1)日本とインドは基本的価値を共有しており、戦略的グローバル・パートナーシップの名前にふさわしい関係を構築していきたい。日印間の協力は、地域の平和と安定のために重要であり、地域の諸課題についても解決すべく連携していきたい。(2)東アジアサミット(EAS)にインドが参加し、南アジア地域協力連合(SAARC)には日本が今度参加する等、地域間の連携も進んでおり、日印間の戦略的対話を一層強化していくことが重要。(3)同様の観点から、アジア太平洋地域において、日印に加えて価値観を共有する国で、共通の課題について議論を行うことは有意義、と述べた。
ムカジー外務大臣より、(1)日本の地域的枠組の構築における貢献を高く評価しており、日本のSAARCへの参加も歓迎する。日本の積極的関与はアジア太平洋地域の安定にも重要である。(2)海上の安全確保は、エネルギーの安定供給、経済開発の観点からも重要であり、日本の海上自衛隊とインド海軍の間の協力を深めていくことも重要、と述べた。
安倍総理より、日本の経済界でもインド経済への関心は高まっており、進出邦人企業数も2006年の320社から2007年の480社へと1年間で50%増加した。両国経済を更に飛躍的に拡大していくためには、質の高いレベルのEPA締結に向けて交渉を進めることが重要、と述べた。
ムカジー外務大臣からは、日本のODAによる経済協力に対する感謝と共に、今後のインドの経済発展のためには民間企業の果たす役割が重要である、と述べた。
安倍総理より、現在バンコ・デルタ・アジア(BDA)の問題で北朝鮮が協議に応じていないのは残念。北朝鮮に核を放棄させるために、国際社会の協力が重要。また、日本と北朝鮮の間には拉致問題もあり、国際社会の協力が同様に不可欠である。インドの理解と支持をお願いしたい、と述べた。
ムカジー外務大臣より、六者会合の進展を歓迎している。北朝鮮は六者会合の合意を実質的に履行すべきである。拉致は全く受け入れることのできない行為であり、二度と繰り返してはならない。国際社会の他国と共に、本問題解決に向けて協力していきたい、と述べた。