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第1回日インド次官級「2+2」対話及び日インド外務次官級政務協議
(結果概要)

平成22年7月

 7月6日(火曜日)、インドのデリーにて第1回日インド次官級「2+2」対話及び日インド外務次官級政務協議が行われたところ、概要以下のとおり。

1.第1回日インド次官級「2+2」対話

 (1)日本側出席者:佐々江外務審議官、中江防衛事務次官他
   インド側出席者:ラオ外務次官、クマール国防次官他

 (2)概要

 ア.日インド双方の安全保障環境

 日本側より、1)東アジアにおいては中国や朝鮮半島情勢等の不安定要素がある中、自らの防衛力整備とともに日米同盟を基軸とした安全保障体制が重要であること、及び、2)防衛大綱見直しにおける、周辺諸国の軍事力の近代化・軍事的活動の活発化、財政的・人的制約を考慮した体制の構築、サイバー・宇宙空間等の検討の必要性等、防衛省内での議論の方向性を説明。その中で、双方は、今後、サイバー等の新たな脅威に如何に対処するかにつき意見交換を行っていく必要があることで一致。

 インド側より、インドの外交・安全保障政策は経済発展のための環境整備を主要目的としており、近隣諸国と世界全体の平和な環境維持に努めている、また、その中でテロの脅威が重要な要素である旨説明。

 イ.安全保障における日インドでの協力

 インド側より、ムンバイ・テロやカシミール問題等に触れつつ、テロという非伝統的脅威への対応が極めて重要である旨述べ、双方は、日インド・テロ協議の枠組みで議論を深めることで一致。

 海賊対処に関し、日本側より、我が国の海賊対処活動につき説明。双方は、日インド間で護衛スケジュールの交換等の協力の進展を歓迎。また、海上自衛隊・インド海軍及び海上保安庁・インド沿岸警備隊間の協力を更に進めることが有益との認識を共有。

 日本側より、災害救援アセット登録制度につき説明し、ARF(ASEAN地域フォーラム)等多国間の場でも日インド協力を深めたい旨発言。また、双方は、人道支援、災害救援、PKO(国連平和維持活動)分野における今後の協力につき、引き続き意見交換を深めることで一致。

 ウ.中国

 中国につき、日インド双方が、お互いの対中関係を強化している取組につき説明。また、日本側より、中国の軍備強化における透明性が重要である旨指摘。

 エ.アフガニスタン・パキスタン

 双方は、民生分野を中心としたアフガニスタンへの支援状況を説明し、復興や再統合を図るアフガニスタン政府との協調が重要であるとの認識を共有。また、日本側から、テロ掃討に従事するパキスタン政府を支援することが重要である旨発言し、インド側からはインド・パキスタン二国間対話の進展状況につき説明。

 オ.北朝鮮

 日本側より、北朝鮮の核・ミサイル問題、韓国哨戒艦沈没事件を巡る安保理の動きや六者協議の状況等につき説明。

 カ.イラン

 日本側より、イランの核問題が地域及び国際社会の安全保障環境に及ぼす影響を指摘。双方は、安保理決議の履行や対話による問題の解決が重要であるとの認識を共有。

 キ.核軍縮・核不拡散

 日本側より、2010年5月のNPT(核拡散防止条約)運用検討会議の状況を説明するとともに、インド側に対して核軍縮・不拡散分野での一層の取組を要求。インド側からは、インド自身の取組の現状を説明。


2.外務次官級政務協議

 (1)日本側出席者:佐々江外務審議官他、インド側出席者:ラオ外務次官他

 (2)概要

 ア.二国間関係

  • 日インド両国は、貨物専用鉄道(DFC)及びデリー・ムンバイ間産業大動脈構想(DMIC)の進捗状況につき確認。
  • 日インド原子力協定交渉の開始は喜ばしいとの認識で一致。日本側は、インドに核軍縮・不拡散の分野での更なる取組を要請。
  • 本年予定されるシン・インド首相の訪日につき、日程を調整していくこととなった。

 イ.地域的課題

 スリランカやアフリカ等につき意見交換を実施。

 ウ.国際的・地球規模の課題

 国連安保理改革、気候変動、生物多様性につき意見交換を実施。

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