欧州連合(EU)

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日EU規制改革対話東京会合
(概要)

平成20年12月

I.日程・出席者

(1)日時:12月12日(金曜日)9:時30分~15時30分 於:外務省

(2)日本側出席者:小田部外務省経済局長(共同議長)、田辺外務省経済局審議官(共同議長を一部代行)、松浦経済統合体課長他、11省庁の関係者(内閣官房、内閣府、総務省、金融庁、財務省、経済産業省、農林水産省、警察庁、法務省、国土交通省、厚生労働省)。
11日の課長級会合のみへの出席を含む。

(3)EU側出席者:コバンダ欧州委員会対外関係総局次長(共同議長)、ハットウェル同総局日本課長代理他、欧州委員会関係部局担当者、駐日欧州委員会代表部関係者、在京EU加盟国大使館関係者。

(参考)日EU規制改革対話

  1. 日EU規制改革対話は、平成6年(1994年)に開始し、近年は東京とブリュッセルにおいて毎年一回ずつ会合を開催している。毎年日EU双方で相手方に対する規制改革提案書を交換し、ビジネス環境改善及び規制協力のための日EU双方の規制のあり方について議論を行っている。
  2. 今回の東京会合はEU側提案書(PDF)PDFを中心に議論が行われた。来年3月頃に開催予定のブリュッセル会合では、日本側提案書を中心に取り上げ、EU側の取組みを要請する予定。

II.会合概要

 冒頭、両議長間で、EU側の対日提案書、日本側の対EU提案書が交換された後、以下の議論が行われた。

1.EU側提案に関する議論

 本会合に先立ち10日及び11日に開催された課長級会合、専門家会合において、下記の事項に関し専門家間で議論が実施された。12日の局長級会合では、その結果を踏まえ、特にEU側の重点事項(★)を中心に議長間で集中的な議論が行われた。

(1)投資関連規制

(イ)対内直接投資規制(対内直接投資規制に関する包括的な検討、空港整備法の見直し、外為法上における規制業種の範囲)(★)

(ロ)三角合併(★)

(ハ)企業統治(株主の利益保護)(★)

(ニ)投資関連税制(三角合併上の課税繰延等)(★)

(ホ)会社法第821条

(ヘ)人的資源(再入国許可制度、運転免許制度)

(ト)透明性(「ベター・レギュレーション」(「より良い規制」)、パブリック・コメント手続、審議会等への外国ビジネス団体の参加、ノーアクションレター、規制影響分析の活用)

(2)政府調達(★)

 電子調達制度における協力、鉄道機器調達における慣行の改善、公共調達アクセスポイントの一元化、法制度の簡素化・英訳、公開入札制度における事前審査の廃止、入札における費用対効果の向上等。

(3)情報・通信技術(ICT)

(イ)次世代ネットワーク(NGN)へのアクセスにおける透明性・無差別取扱の確保

(ロ)電気通信端末機器の市場アクセス(EUの供給者規格適合性宣言の受入、携帯市場における事業者慣行に関する意見交換等)

(4)金融サービス(銀行及び投資サービス、保険、会計監査、会計基準)(★)

(イ)銀行・投資(ベターレギュレーションの広範な実施、ファイアウォール規制の見直し等)

(ロ)保険(支払余力の算出方法の見直し、保険契約者保護機構制度の改定、認可共済に関する公平な競争条件、保険商品の販売手数料等)

(ハ)会計監査(監査人監督の相互依拠に向けた協力、関係者間の更なる情報交換)

(ニ)会計基準(日本の会計基準の国際会計基準との収斂の加速化)

(5)郵政民営化(★)

 民営化プロセスにおける透明性確保、ゆうちょ銀行・かんぽ生命二社の事業拡大への制限、信書便分野の開放、EMSと民間事業者との公平な競争条件の確保等。

(6)航空輸送(★)

 EU法と二国間航空協定間の法的整合性の確保、スロットの効率的かつ公平な使用と配分、アクセス等空港インフラ政策の改善等。

(7)海事

 海洋政策、及びIUU(違法、無報告、無規制)漁業対策に関する日EU間の意見交換の強化。

(8)自動車

 UN-ECE(「国連の車両等の型式認定相互承認協定」)規則採択の加速化、新しい安全技術に関するガイドラインの簡素化及び透明性向上、車両におけるレーダー技術の使用許可等。

(9)税関

 認定事業者制度(AEO)の相互認証に向けた協力の継続。

(10)医療・化粧品(★)

(イ)医薬品(新薬承認の迅速化、データ保護期間の延長等)

(ロ)ワクチン(国際慣行に準じた臨床ガイドラインの設定、日本市場への無差別アクセス等)

(ハ)血漿(国内・外国業者間の平等な取扱等)

(ニ)医療機器(外国データの受け入れ、国際基準への整合、所有権情報の保護、価格設定及び償還手続き制度の改善等)

(ホ)化粧品(EUで採用されている動物実験代替方法の受け入れ)

(11)食品安全及び農産品(★)

(イ)食品添加物・香料指定の迅速化

(ロ)牛・牛製品の輸入

(ハ)地域主義

(ニ)植物検疫(生鮮果実・野菜市場へのアクセス、非検疫生物リストの拡大)

(ホ)食品媒介感染バクテリア(リステリア・モノサイトゲネス)に関する規制の変更

(ヘ)育成者権(農業者の特権免除が適用されない植物の種・属リストの拡大)

(ト)消費者安全・トレーサビリティー(加工食品の原料原産地表示の検討状況につき欧州関係者へ適宜情報を提供すること)

(チ)有機農産物認証(改正JAS法による再登録手続き負担の軽減等)

(12)木材基準(作業部会の開催等)

(13)動物用医薬品(製品登録の調整を単一の省庁に任せ審査を効率化すること、知財保護の観点から抗生物質を含む飼料添加物に関し物質別でなくブランド別リスト制度とすること)。

2.日本側提案に関する議論

 来年3月頃に開催されるブリュッセル会合に先立ち、同日提出した日本側の対EU提案書(PDF)PDFから、重点項目として特に以下を取り上げ、EU側の正確な理解及び今後の積極的な取組みを求めた。

(1)環境規制(REACH(化学品規制)の適切な実施)

(2)知的財産権(国際特許制度調和の推進)

(3)人の移動(迅速かつ簡素な滞在労働許可制度の実現)

(4)食品安全・農産品(1)EU諸国向け日本産肉及び肉製品の輸出、2)有機JAS規格とEU有機食品認証統一基準との同等性、3)魚油輸出に関する新たなEU規制の適切な実施)

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