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平成20年7月2日
於:東京
(英文はこちら)
(1)農産業団地の建設地
計画中の農産業団地の建設地は、ジェリコのA地区から開始され、将来的には近接する地域に拡大されうる。このA地区の一部の用地収用は既にパレスチナ自治政府により決定された。その他の用地収用はフィージビリティ・スタディ(F/S)の結果に基づき決定される。農産業団地に関するこのF/Sはイスラエルの協力により既にA地区及び近接する地域双方において開始されている。
(2)農産業団地の開発
国際協力機構(JICA)が実施している農産業団地に関するF/Sの調査団は、農産業団地の将来像(グランド・デザイン)及び基礎的インフラのアイデアを提示した。F/Sは2008年11月に終了し、パレスチナ人に裨益する基礎的インフラを整備するプロジェクトは、パレスチナ自治政府、日本、及びパレスチナ、イスラエル、ヨルダンの民間部門を含む関係者間の密接な調整の下で、可能な限り2009年の早期に実施が開始される。高村外務大臣は、農産業団地の将来像に関し、4者の今後の決定に基づき、適切なプロジェクトに対し政府開発援助(ODA)を供与する用意がある旨表明した。これと並行して4者は、農産業団地の開発に国際的及び地域的開発基金を関与させるべく、最大限の努力を行う意図を確認した。
(3)地域協力と官民パートナーシップ(PPP)
4者は、本構想の具体化には地域協力が必要不可欠であることを改めて確認し、これを最大限推進していくことを確認した。また4者は官民パートナーシップの重要性を強調した。この関連で、パレスチナ経済の開発に向けたパレスチナ自治政府のオーナーシップの重要性も強調された。また、農産業団地建設におけるパレスチナ民間部門の参加も慫慂される。
(4)アクセス
4者は、安全上の懸念だけでなく、経済的な効率性について十分な考慮を払いつつ、農産業団地の建設地からヨルダンへのアクセス・ルートを協議してきている。
(5)4者による農業技術協力
西岸における農業生産性と輸出の改善に向けた「4者による農業技術協力」計画が立ち上げられた。2008年から2010年の期間、イスラエル(MASHAV)により実施される地域的技術協力プログラムの開始に向け、6月に4者による高級事務レベル会合が開催された。4者は、節水、小規模家畜、マーケティング及び収穫後管理、高付加価値農産物生産を中心とし、関係省庁により署名されるプロジェクト・ドキュメントの作成に貢献することが期待されている。そのため、7月中にも、プロジェクト・ドキュメントの詳細について協議するため、2回目の実務者協議を行うことが合意された。
(6)日本の貢献
日本政府は、既に農業用井戸や灌漑設備の修復、農業技術協力プロジェクト、ジェリコ=タイベ道路整備等、いくつかの側面支援プロジェクトを実施してきている。ヨルダン、パレスチナ自治政府及びイスラエル各代表は、この地域の平和と繁栄を促進しようとする日本のコミットメントに対し謝意を表明した。高村外務大臣はこのような側面支援プロジェクトに対し、引き続きODAを供与していく意図を確認した。
(7)他の3者の貢献
4者はまた、水資源や環境の分野における協力や、2008年5月にベツレヘムで開催されたパレスチナ投資会議など、様々な関連プロジェクトや協力、試みを、構想の成功に貢献するものとして歓迎した。