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日中外相会談(概要)
平成23年9月23日
英語版
国連総会出席のためにニューヨークを訪問中の玄葉外務大臣は,9月22日(木曜日)17時15分(現地時間)から約50分間,ニューヨークの国連本部内において,
・中国外交部長との間で日中外相会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。なお,冒頭,玄葉大臣から,中国内陸部における水害に対する見舞いの意を述べ,楊部長から感謝の意が表されました。
1.日中関係総論
双方は,来年の日中国交正常化40周年を見据え,「戦略的互恵関係」の深化と国民感情の改善のため,共に尽力することで一致しました。
2.ハイレベル往来
(1)楊部長から,野田総理の訪中への期待が示され,玄葉大臣から,野田総理は訪中に意欲を持っている旨述べました。日程について今後調整することで双方が一致しました。
(2)また,双方は,外務大臣レベルでも頻繁に相互往来を行うことが必要であり,今後調整することで一致しました。
3.震災を受けた日中協力
(1)双方は,本年5月の日中首脳会談で合意した東日本大震災を受けた協力を着実に実施していくことで一致しました。その中で,中国からの復興支援・貿易投資促進視察団の早期実施に向け調整を加速化することで一致しました。
(2)玄葉大臣から,10月から香港を含む中国各地で「元気な日本」キャンペーンを開催する旨紹介し,楊部長から,中国側としても,右キャンペーンの実施を歓迎したい旨述べました。
(3)玄葉大臣から,中国による日本産食品等への輸入規制措置の更なる緩和・解除,また,現在欠航となっている被災地と中国との間のチャーター便の早期再開を要請しました。これに対し,楊部長から,要請についてはしっかりと検討したい旨述べました。
(4)楊部長から,10月中旬に行われる広州での第110回中国輸出入商品交易会(広州交易会)において,日本企業,特に東日本大震災で被災した地域の企業のために,展示ブースを提供する旨述べました。
4.文化・人的交流
(1)双方は,来年の40周年を記念するために,両国で関連する準備を加速化することで一致しました。
(2)双方は,10月から11月にかけて行われる,「映画,テレビ週間」,「アニメ・フェスティバル」,新日中友好21世紀委員会など,各種交流行事の成功に向け緊密に協力することで一致しました。
5.海に関する協力
(1)玄葉大臣から,東シナ海資源開発に関する2008年の合意の実施は戦略的互恵関係の象徴であり,国際約束締結交渉を早期に再開することが重要である旨述べました。これに対し,楊部長から,交渉再開に向けて,事務レベルでの意思疎通を引き続き緊密に行っていきたい旨述べました。
(2)双方は,日中海上捜索・救助(SAR)協定の早期締結に向け,協議を加速化することで一致しました。
(3)双方は,海上における危機管理メカニズムの構築に向け,事務レベルの調整を引き続き進めていくことで一致しました。
(4)以上のやりとりの中で,楊部長から,尖閣諸島に関する中国独自の立場の表明があり,玄葉大臣から,尖閣諸島が我が国固有の領土であることは,歴史的にも国際法的にも疑いない旨の我が国の基本的立場を改めて述べました。
6.日中社会保障協定
玄葉大臣から,日中社会保障協定に関し,中国において7月から施行された社会保険法に対する日本企業の関心も踏まえ,急激な変化とならないように配慮願いたい旨述べました。これに対し,楊部長から,関係部門で検討している旨述べました。
7.北朝鮮
玄葉大臣から,最近の南北間,米朝間の対話を歓迎しており,これらが六者会合再開に向け具体的な成果につながることを期待している。特に,北朝鮮がウラン濃縮活動及び拉致問題において具体的行動をとることが重要であり,中国からの協力,働きかけを期待している旨述べました。