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日中首脳会談(概要)

平成21年9月22日

 鳩山総理は、21日20時50分から約60分間、国連総会等に出席するために訪問中の米国ニューヨークにおいて、胡錦濤国家主席との間で会談を行った(中国側:王岐山副総理、令計画・党弁公庁主任、王滬寧・中央政策研究室主任、戴秉国国務委員、楊潔篪外交部長他、日本側:岡田外務大臣、小沢環境大臣、松野官房副長官他同席。)。初めての首脳会談として、和やかな雰囲気の中、首脳間の信頼関係を確認するものとなった。

1.日中関係

(1)日中関係総論

(イ)総論
 鳩山総理から、建国60周年への祝意を表すとともに、戦略的互恵関係を進めて行く考えを示し、この中身を充実させたい旨述べた。胡主席からは、日中関係は、最も重要な二国間関係の一つであるとして、1.首脳レベルの往来強化、2.経済貿易関係の強化・発展、3.国民感情の改善、4.アジアや国際場裏での協力の推進、5.両国間の意見の相違を適切に解決するとの5点を述べ、鳩山総理もこれに賛同の意を表明した。双方は、戦略的互恵関係の推進で一致した。

(ロ)アジア外交と日中協力
 鳩山総理から、友愛の精神(互いに相違を認め尊敬しあう精神)に基づいて、対アジア外交を進めていきたい旨発言。信頼関係を築き、長期的には、東アジア共同体を構築していくことが重要であることについて指摘した。胡主席からは、アジア地域における日中協力の重要性について言及があった。

(ハ)台湾問題、歴史問題
 胡主席から、台湾問題及び歴史問題について、機微な問題であり、慎重かつ適切に対処してもらいたい、歴史問題にかかる鳩山総理の一連の発言については、これを評価している旨発言。鳩山総理からは、台湾問題についての立場は、1972年の日中共同声明にあるとおりであり、また、歴史認識については、 1995年の内閣総理大臣談話を踏襲していく考えである旨答えた。

(ニ)チベット問題
 胡主席から、チベット問題について、中国側の立場についての説明があったところ、鳩山総理から、チベット問題が、対話を通じて解決されることを期待している旨述べた。

(2)東シナ海の資源開発
 鳩山総理から、東シナ海資源開発について、友愛の精神に触れつつ、かつて独仏が石炭・鉄鋼に関連して協力し、これがEUに発展していった例を挙げ、日中両国もこの問題について協力を進めていく必要がある旨述べた。また、鳩山総理からは、最近の白樺油ガス田における中国側の動きについては中国側の真意を理解しかねる旨指摘し、東シナ海を「いさかいの海」でなく「友愛の海」にしたい旨述べた。胡主席からは、昨年の合意は重要な進展であり、中国側としても、東シナ海を「平和・友好・協力の海」にしていきたい、合意の実施には、国民の理解と支持が必要である、近い将来に実務レベルでの接触を行い、良好な環境の構築をしていくことを提案したい旨述べた。

2.地域・国際社会の問題

(1)日中韓協力
 胡主席からは、日中韓協力は10周年であり、年内に鳩山総理が日中韓サミットのために訪中されることを歓迎する旨述べた。鳩山総理からは、同サミットに是非参加し、温家宝総理にもお会いすることを楽しみにしている旨述べた。

(2)北朝鮮問題
 鳩山総理から、北朝鮮による核開発、弾道ミサイル開発は我が国にとり重大な脅威であり、容認できないとの立場を伝えた。また、鳩山総理から、国連安保理決議を国際社会とも協力しつつ履行していく必要がある旨述べるとともに、日朝関係については、拉致問題について我が国には非常に厳しい民意がある旨紹介した。胡主席からは、朝鮮半島の非核化、特に六者会合への復帰について中国側としても努力していることを紹介するとともに、拉致問題を含めた日朝関係の進展についても働きかけている旨述べた。

(3)気候変動問題
 鳩山総理から、一部産業界からは異見もあるが、人類にとり重要であることから決断を行ったとして、我が国の立場を説明した。胡主席からは、日本側の積極的な対応を評価したい、COP15の成功に向けて、建設的な努力をしていきたい旨述べた。

(4)国連安保理改革
 鳩山総理から、国連改革、特に安保理改革における中国の協力を要請した。胡主席からは、必要な改革は支持している、日本が国際場裏で積極的役割を果たすことを希望している旨述べた。

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