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胡錦濤(こ・きんとう)中国国家主席と国際緊急援助隊代表との会見

平成20年7月8日

 8日午前、四川大地震に際して中国に派遣された日本の国際緊急援助隊の代表(救助チーム9名及び医療チーム7名)が、北海道洞爺湖サミットに参加するために来日中の胡錦濤中国国家主席を札幌市内のホテルで約40分表敬したところ、概要以下のとおり。

  1. まず、胡錦濤国家主席が会場に入る国際緊急援助隊代表を握手して出迎え、着席した後、四川大地震の被害状況、国際緊急援助隊の救助チーム及び医療チームの活動の様子を撮影したDVDが上映された。
  2. 続いて、小泉崇・救助チーム団長、田尻和宏・医療チーム団長、杉本健太隊員、石井美恵子隊員より、それぞれ以下のとおり発言した。

    (1)小泉・救助チーム団長

     胡主席のお招きに感謝する。日本の救助隊は中国が初めて受け入れた救助隊と承知している。困難にも直面したが、懸命な救助活動を行い、16名の遺体を発見・収容した。中国の多くの国民から感謝されたことは、誇りである。被災者が一日も早く平和な生活を取り戻すことを念願し、また、困難を克服することを確信する。

    (2)田尻・医療チーム団長

     大病院での活動については、当初、心配もあったが、中国側の積極的な協力と配慮を得て、任務を達成することが出来た。病院関係者や患者及びその家族、また、温家宝総理等からも激励と感謝の言葉を頂いた。今回の活動を通じて日中両国民間の友好的な感情が発展したとの評価は大きな喜びである。今後、日中間で緊急医療分野での交流・協力が発展することを希望する。

    (3)杉本・救助チーム隊員

     一人でも多くの生存者を救出すべく、精一杯頑張った。困っている隣人をいつでも助けに行くという日本の姿勢を中国の方に伝えられたと思う。捜索活動で悲惨な光景を目の当たりにして地震災害の凄まじさを実感した。遺体に傷をつけずに少しでも早く家族の元に返したいとの思いで必死に作業した。今回の経験を財産にして一人でも多くの被災者を救助できるよう訓練に励みたい。

    (4)石井・医療チーム隊員

     人間が太刀打ちできない自然災害による被害者を支援したいとの思いを、中国の被災者等に伝える機会を得たことに感謝する。日本側の活動は、多くの人に支えられて実現できたが、特に、華西病院の院長をはじめとする病院スタッフと日本側隊員との相互理解と協力によって成果を挙げることが出来た。

  3. 国際緊急援助隊代表からの以上の発言を受けて、胡錦濤国家主席より以下のとおり述べた。

    (1)四川大地震に際しての困難な時期に救助・医療の両チームを派遣してくれたこと対して、中国政府・中国国民を代表して、改めて感謝したい。皆さんの活躍は、中国国民に非常に強い印象を与え、見事な使命を達成された。皆さんの崇高な人道主義に基づく行動は、中国国民の高い評価を得ている。これは、日中両国国民の友情の表れである。

    (2)中国としても、引き続き、被災地の復興に全力で取り組み、国際社会からの支援も得ながら、全面的な勝利を勝ち取りたい。防災は人類共通の課題である。この分野における日中協力は、まさに「戦略的互恵関係」の一つであり、今後も継続していきたい。中国政府・中国国民は、皆さんの働き、尽力を決して忘れることはない。

  4. 最後に、胡錦濤国家主席より、発言した4人の隊員に対して、四川省における国際緊急援助隊の活動を撮影したアルバムとDVDを贈呈した後、記念撮影を行った。
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