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日チリ両外務大臣による共同プレス声明(仮訳)

2010年4月26日,東京

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 岡田克也日本国外務大臣とアルフレド・モレノ・チリ共和国外務大臣は,モレノ大臣就任後初の二国間外国訪問となる2010年4月25日から28日までの訪日の間の4月26日に会合を行った。両大臣は以下の共同プレス声明を発出した。


1.二国間関係

 岡田外相から,日本国民及び同政府を代表して,チリ共和国建国200周年への祝意を伝達した。

 両外相は,先般の鳩山由紀夫日本国総理大臣とセバスティアン・ピニェラ・チリ大統領との間での電話会談に言及しつつ,それぞれの政権の下で,伝統的に良好で密接な日チリ関係を一層強化する目的で緊密に協力していく意向を確認した。

 両外相は,3月の吉良州司外務大臣政務官のチリ訪問及び今回のモレノ外相の訪日といった最近の要人往来により生まれた二国間関係の一層の強化に向けた重要な機運を強調しつつ,とりわけ日本・チリ戦略的経済連携協定を通じた経済関係の一層の強化及び科学技術・学術交流の一層の強化の重要性を強調した。

 モレノ外相は,鳩山由紀夫日本国総理大臣がチリを公式訪問することへのチリ政府の希望を表明した。

 モレノ外相は,特に,チリの鉱業分野に対する日本からの投資の増加傾向を歓迎するとともに,その促進に向け今後も協力するというチリ政府の意向を改めて表明した。


2.チリにおける震災及び日本の支援

 岡田外相は,2月にチリで発生した大地震の被害に対し心からのお見舞いを表明するとともに,喫緊かつ人道的なニーズを満たすための,民間からの寄付を含む日本の支援について説明した。モレノ外相は,長年に亘り地震に関する豊富な経験や知見を獲得してきた日本からの貴重な支援に対して深い謝意と高い評価を 表明した。

 岡田外相は,復興と防災対策改善に向けたチリの取組を支援し,以下の分野を優先するとの日本政府の意向を改めて表明した。

(a) 医療(仮設病院施設の建設を含む)
(b) 建造物被害診断及び耐震構造
(c) 地震観測,及び,
(d) 災害警報(デジタルテレビ技術(ワンセグ)の活用を含む)


3.国際場裡における協力

 両外相は,核軍縮・不拡散(NPT運用検討会議及び包括的核実験禁止条約の早期発効に向けた協力を含む),国連改革(特に安保理改革),気候変動(COP16に向けた協力を含む),生物多様性保全(COP10に向けた協力を含む)など,国際社会が直面している課題に対応するための協力を一層深化・ 拡大していくとの意向を共有した。

 モレノ外相は,2010年APECのテーマである「変化と行動」の下に設けられた目標を達成するために,日本の優れたリーダーシップの下で進められている作業に対するチリ政府の支持を表明した。両外相は,1)地域的経済統合の促進,2)成長戦略の策定,3)人間の安全保障の向上,4)これらの課題を支え る経済・技術協力の強化という,2010年APECの優先課題の重要性につき一致した。

 モレノ外相は,本年11月に横浜で開催されるAPEC会議の機会にピニェラ大統領及び同外相自身が訪日する意向である旨表明した。岡田外相は,両者の訪問を歓迎する旨述べた。


 モレノ外相は岡田外相並びに日本国政府及び同国民に対し,訪日中にチリ側一行に対して与えられた温かく丁寧なもてなしに深い謝意を表明した。

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モレノ・チリ共和国外務大臣の来日 |  目次へ戻る