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日加両国の首相は,
日加関係が,民主的価値並びに人権,自由及び法の支配へのコミットメントに基づいたものであることを確認し,
成長を続ける二国間の政治的,経済的,文化的及び人的相互関係並びに日加関係の更なる発展への共通の関心を認識し,
日加両国の安全と繁栄はアジア太平洋地域及びそれを超える地域の安全な未来と関連していることを認識し,
国際連合,G8,G20を含む多数国間の場における協力及びASEAN地域フォーラム(ARF),アジア太平洋経済協力(APEC)などの地域的な場を通じた国際の平和,安全及び繁栄を推進するための継続的な希望を確認し,
その原子力活動が世界の平和及び安全を脅かす国に立ち向かうことを含め,核兵器のない世界及びいかなる形の拡散に対しても共同して活動することへのコミットメントを改めて表明し,
1999年の平和及び安全保障に関する協力のための日加行動計画及び2005年の平和及び安全保障に関する協力のための日加計画で作成されたビジョンへの共通のコミットメントを想起し,また,日加両国間で何年にもわたって確立されてきた多くの活発な協力の経路を認識し,
国際の平和及び安全への効果的な貢献は,全政府的アプローチで実施されることを認識し,
平和及び安全保障政策の調整並びに運用上の協力を促進するための戦略的パートナーシップを高める必要性を認識し,
日加両国の外交,防衛及び他の関係する省庁・当局間並びに自衛隊・加軍及び他の関係する当局間の実務上の協力を増進させるために共に活動することをコミットし,
日加両国間の平和及び安全保障協力促進のための柔軟で実務的な枠組みを創設することを希望し,
以下を決定した。
既存の及び将来の政治,平和及び安全保障協力の経路を通じて行われる活動を効果的に導くため,日加両政府はここに政治,平和及び安全保障に関する次官級「2+2」対話を創設する。
政治,平和及び安全保障に関する次官級「2+2」対話は,以下の構造と任務を有する。
政治,平和及び安全保障に関する次官級「2+2」対話では,原則として,カナダについては,外務次官及び国防次官が,日本については,外務次官及び防衛次官が共同議長を務める。
政治,平和及び安全保障に関する次官級「2+2」対話は,他の関連する国内の当局が責任を有する分野に係る議題がある際には,当該当局からの代表者を招請することができる。
双方の都合に合わせ,政治,平和及び安全保障に関する次官級「2+2」を定期的に開催することを追求する。
それぞれの閣僚により示された戦略的ビジョンに従い,政治,平和及び安全保障に関する次官級「2+2」対話では,政治,平和及び安全保障協力全般の議題を定められ,現在の国際政治情勢についての意見及び評価が交換される。
政治,平和及び安全保障に関する次官級「2+2」対話では,必要に応じ,政務・防衛当局間(PM)協議,防衛当局間(MM)協議,平和及び安全保障に関する日加協力シンポジウムなどの既存のメカニズムの活動について,検討し,助言することができる。
政治,平和及び安全保障に関する次官級「2+2」対話では,一又は二以上の共通の関心を有する特定の問題に対応するため,既存のメカニズムに加え,一時的な作業部会を創設することができる。
政治,平和及び安全保障に関する次官級「2+2」対話,その他のメカニズムでは,以下の伝統的な分野,新たに生じている分野及び将来的な分野の協力にわたる柔軟で実務的な枠組みを通じて政策の調整及び協力が行われるが,これらに限られない。
両国の閣僚及び首相は,政治,平和及び安全保障に関する次官級「2+2」対話により,達成された進展につき定期的に報告を受けることが確保される。
日加両政府は,国際環境の幅広く,かつ,絶えず変化する性質は,平和及び安全保障に関する分野も進化することを意味することを認識する。そのため,二国間の対話及び協力の分野については,個々の事情に応じ,政治,平和及び安全保障に関する次官級「2+2」対話又は他のメカニズムの下で,関係する国内当局の同意を得て決定される。
可能なときは,日加両政府は,地域的な及び世界的な平和及び安全保障の場における両国の取組を調整する。
本共同宣言に従って,日加両政府は,平和及び安全保障協力を推進する。
平成22年11月14日署名