本24日(金曜日),午後6時過ぎから約30分間,日本政府国連代表部において,前原誠司外務大臣は,セルソ・アモリン(Mr. Celso Amorim)ブラジル外相と会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
1.二国間関係
- (1) 前原大臣からの就任挨拶に対し,アモリン外相からは,日伯関係は極めて優れた状況にあり,バイオ燃料,地上デジタル・テレビ放送,人的交流をはじめ,短い会談で言い尽くせないほど多岐の課題に共同で取り組んでいる,首脳レベルでも緊密な交流を重ね,日本人ブラジル移住百周年祝賀(2008年)などを通じ,すばらしい関係にある,今後何なりとおっしゃっていただきたい旨答えました。
- (2) 次に,前原大臣から,我が国の発展とともに,我が国の優れた技術を世界に提供できればすばらしいと考えており,ブラジルで計画されている高速鉄道もその機会となり得るとした上で,現在の入札条件には若干困難があると聞いているので,本国の担当大臣には日本の関心企業の話をよく聞いていただくようお伝え願いたい旨述べました。これに対し,アモリン外相は,確かに承った旨答えました。
- (3) アモリン外相から,日伯両国がモザンビークにおける農業開発など,アフリカにおいて重要な協力を展開していることを高く評価しつつ,ブラジルはアフリカに大使館を積極的に増設し,体制を強化している,バイオ燃料開発など,日本と連携できるプロジェクトを今後も模索したい,既に南部アフリカ地域に普及を進めている地上デジタル・テレビ放送日伯方式も,更に他のアフリカ諸国に広げたい旨述べました。
2 IBSAと我が国の関係強化
前原大臣から,IBSA(ブラジル・インド・南アで構成する政策対話グループ)との関係を是非強化したい旨述べたのに対し,アモリン外相からは,ご関心はよく承知しており,非メンバー国の中でも日本との対話は優先的に検討されるように支持したい旨答えました。
3 ハイチ支援
アモリン外相から,ブラジルはハイチにおける人道・平和維持活動の指導的存在として,MINUSTAHでも最大となる2000名以上の要員を派遣中であるなど,ハイチ復興に強くコミットしていることに触れつつ,日本からも支援強化を期待する旨述べました。これに対し,前原大臣からは,ハイチ支援会合において岡田前外務大臣とアモリン外相が緊密に協議した経緯等に触れつつ,既に資金援助や自衛隊派遣などを積極的に進めてきている旨説明しました。