外務省
防衛省
【日程】2010年5月19日18時~19時30分、20時~21時30分
【出席者】岡田外務大臣、北澤防衛大臣、スミス外務大臣、フォークナー国防大臣
1.全般
日豪両国は、大きく変動するアジア太平洋地域の平和と安定のため、日豪が果たす役割が大きくなっていることを確認し、連携を更に強化することで一致。
2.日豪安全保障協力:日豪ACSAの署名等
- (1) 日豪両国は、「日豪物品役務相互提供協定(ACSA)」が署名の運びとなったことを歓迎するとともに、今後、この協定の締結により、国連平和維持活動(PKO)や災害救援活動等の現場で活動する自衛隊と豪州軍との間で協力が一層促進されることへの期待を表明。
- (2) 日本側より、国連東ティモール統合ミッション(UNMIT)に軍事連絡要員を派遣する方向で調整中であり、派遣が実現した場合には、東ティモール支援で中心的な役割を果たしている豪州と協力して、東ティモールにおける平和構築を支援していきたい旨述べたのに対し、豪州側より日本の派遣を歓迎するとともに、支援を惜しまない旨応答。
- (3) 現在進めている日豪秘密情報保護協定の交渉を加速化させることで一致。
3.日米豪3カ国協力
日豪両国は、アジア太平洋地域において米国のプレゼンスが引き続き不可欠であるとの認識で一致し、日米豪の枠組みでこの地域の安全保障戦略に関する協議・協力を深めることで一致。
4.朝鮮半島:韓国哨戒艦の沈没事案
日豪両国は、韓国哨戒艦の沈没事案について意見交換を行い、韓国が豪州も含めた各国の専門家の参加も得て、科学的かつ客観的な調査に基づき対応するとの冷静な立場をとっていることを評価し、日豪として、近く公表される調査報告の結果を見守りつつ、韓国の立場を支持していくことで一致。
5.核軍縮不拡散
日豪両国は、「核兵器のない世界」に向けたこれまでの両国間の協力の成果を確認するとともに、引き続き、日豪がこの分野でリーダーシップを発揮すべく、NPT運用検討会議の結果も踏まえつつ、更に協力していくことで一致。
6.地域的枠組み
豪州側より、大きく変動するアジア太平洋地域において、米国を含め域内の主要国が入っている地域的な枠組みを中長期的な観点から構築することが必要である旨述べたのに対し、日本側より、日米同盟を基軸としつつ、東アジア共同体構想という長期的なビジョンを提唱している、EAS、ASEAN+3、ARF、APEC等の既存の枠組みを重層的かつ柔軟に活用しつつ、開放的で透明性の高い地域協力が大切である旨応答。
7.地域情勢(除く朝鮮半島)
- (1)アフガニスタン・パキスタン
- 日豪両国は、アフガニスタン・パキスタンの安定に向けたそれぞれの取組について意見交換を行った。特に両国は、アフガニスタンにおいては和解及び元タリバーン兵の再統合が重要課題との点で一致し、そのため両国が再統合基金に拠出を行っていることを評価し、このような非軍事分野での支援も引き続き重要であるとの認識で一致。
- (2)イラン
- 日豪両国は、イランの核問題に対する懸念を共有することを確認するとともに、国連安保理を含め、イランを巡る最近の動きを踏まえつつ、関係国と緊密に連携していくことで一致。
- (3)ミャンマー
- 日豪両国は、民主的で国際社会が評価できるような公正な総選挙の実施に向け、引き続き粘り強くミャンマーに働きかけることが重要であることで一致。