アジア

世界地図 アジア | 北米 | 中南米 | 欧州(NIS諸国を含む) | 大洋州 | 中東 | アフリカ

アジア欧州会合(ASEM)
第1回エネルギー安全保障閣僚会合(概要と評価)

平成21年7月

1.日程・出席者等

 6月18日、ブリュッセルにてアジア欧州会合(ASEM)エネルギー安全保障閣僚会合が開催され、ASEM参加国のうち、アジア側か日、中、韓、印、蒙、パキスタン、ASEAN10か国が出席し、欧州側からはEU24ヵ国及び欧州委員会が出席した(我が国からは田辺外務省経済局審議官、上田資源エネルギー庁審議官他が出席)。

2.概要

(1)本会合は2008年10月に北京にて開催されたASEM第7回首脳会合で発出された「持続可能な開発に関する北京宣言」を踏まえ、アジアと欧州のエネルギー安全保障上の課題につき議論することを目的に、エネルギー安全保障に関するASEMの初めての閣僚会合として開催された。

(2)冒頭、ヴァルトナー欧州委員(主催者)が、エネルギー安全保障の重要性を述べ、次にプラサダ印石油・天然ガス大臣が印のエネルギー安全保障と経済成長の両立の困難性、コホウト・チェコ副首相兼外務大臣が1月のガス危機から得られた教訓について、それぞれスピーチを行った。最後に我が国より田辺経済局審議官がスピーチを行い、1970年代の石油危機を契機とし、我が国が行ってきた省エネルギーの推進、エネルギー源の多様化、石油備蓄等の緊急時対策等のエネルギー安全保障における取組の紹介を行うと共に、石油・ガス生産国との対話・協力のあり方について、ASEM諸国と知識・経験を共有し協力を強化していきたい旨述べた。

(3)その後、(イ)エネルギー政策、(ロ)持続可能なエネルギー選択によるエネルギー安全保障の取組、(ハ)世界的なエネルギー市場及びエネルギー貿易の改善によるエネルギー安全保障の各セッションにて、代表スピーチ及び活発な議論が行われ、共同宣言(PDF)PDFが発出された。

3.評価

(1)ユーラシア大陸の東西を占める欧州及びアジアの参加国がASEMの枠組みで世界のエネルギー安定供給及び安全保障の確保と協力について、初めての閣僚会合を開催し、議論を行ったことは、多角的なエネルギー分野の協議枠組みの拡充の観点から有意義であった。

(2)現在、経済・金融危機によりエネルギー投資が鈍化している状況において、将来的なエネルギー需要の増加が見込まれる新興経済国を多く抱えるアジアと、本年初めに天然ガスの供給危機に見舞われた欧州がそれぞれの知見を共有したことは、グローバルなエネルギー安全保障の強化の観点から有意義であった。

(3)更に、エネルギー安全保障政策におけるエネルギー効率向上の重要性が共有され、加盟国はベストプラクティスを共有すべく各種国際会合を充分活用することで認識が一致、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)に言及しつつ、再生可能エネルギーの重要性が強調された点は、アジアのエネルギー安全保障確保の観点から有益であった。

Adobe Acrobat Readerダウンロード Adobe Systemsのウェブサイトより、Acrobatで作成されたPDFファイルを読むためのAcrobat Readerを無料でダウンロードすることができます。左記ボタンをクリックして、Adobe Systemsのウェブサイトからご使用のコンピュータのOS用のソフトウェアを入手してください。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る