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ASEMの将来に関するヘルシンキ宣言(骨子)
2006年9月10~11日
1.パートナーシップの深化―将来の課題に直面して
- 欧州とアジアの対話と協力の枠組みとしてのASEMの重要な役割を強調。ASEMを通じた平和と安定の維持・強化及び持続的な経済・社会発展に資する条件の促進にコミット。
- 多国間主義及び強力な国連を核とする公平、公正かつルールに基づいた国際秩序にコミット。ASEMは多国間協力を強化する共通基盤の形成に独自の機会を提供する。ASEMは、アジアと欧州がグローバリゼーションの利益を享受し、グローバルな相互依存による挑戦に取り組み、現在及び将来の世代の福利に貢献することを可能とする。国連ミレニアム開発目標実現を含む国連首脳会合の決定実施の重要性を認識。
- 行動志向のイニシアティブを実施する手段としてASEMがEU・アジア関係に果たす触媒としての役割を再確認。ASEMが地域アイデンティティ及び共同体形成を強化する潜在力を強調。
2.幅広い展望の定義―行動の重点分野の特定
- 次の10年の開始に当たり、多国間主義の強化及び共通のグローバルな脅威への対処、グローバリゼーション、競争及び世界経済の構造変化、健康、科学技術、MDGs、気候変動、環境及びエネルギーに焦点を当てた持続可能な開発、文化・異なる信仰間の対話等の鍵となる政策分野に焦点。
3.機構体系の強化―より強力なパートナーシップの形成
- アジア欧州協力枠組み原則の有効性を再確認しつつ、行動志向のイニシアティブを通じた結果達成の努力を強化するため、対話と協力の手段強化の必要を認識。ASEMヴァーチャル事務局は、そのための鍵となる手段。
- 作業方法及び機構体系の改善に関する勧告(別添)を承認。フィンランド及び日本による「ASEMの10年」報告書等は貴重な貢献。
- ヘルシンキ首脳会合におけるASEM拡大の決定を歓迎。
「ASEMの将来に関するヘルシンキ宣言」別添
「ASEMの作業方法及び機構体系」(骨子)
1.アジア・欧州協力の分野
- ASEMは三本柱を維持しつつ、グローバリゼーション及び相互依存がもたらす挑戦に対処するため、政治、経済、社会・文化の間の横断的連関に対処する。首脳会合及び外相会合は、国際情勢の変化に応じて方向性の決定、見直しを行う。
- 各国は特に関心・知見がある分野や案件を主導し得る。ASEMの優先分野に沿ったイニシアティブの実施と効率的モニタリングは、首脳会合間のモメンタム維持に重要。
2.プロセスの運営と調整
- 首脳会合が政治的指針を与え、外相会合が運営、高級実務者(SOM)が全般的調整を行う。閣僚会合の実効性と効率性向上のため努力を継続する。分野別のSOM設置を必要に応じ考慮。
- 調整国の役割を強化。閣僚レベルでの調整国会合も検討し得る。次期首脳会合・外相会合主催国が果たす中心的役割を認識。
- ASEMヴァーチャル事務局は、調整及び情報共有手段として調整国を支援する。
- ブリュッセル(EU本部所在地)、ジャカルタ(ASEAN事務局所在地)、次回首脳会合開催国における大使館等の連絡・情報共有を強化。
3.知名度、世論の認識、関係者との連携
- ASEM広報戦略の策定・実施が優先課題。
- アジア欧州ビジネス・フォーラム(AEBF)、アジア欧州議員会議(ASEP)、及び市民社会はアウトリーチ強化に重要な役割を果たす。
- アジア欧州財団(ASEF)は市民社会との連携に重要な役割を果たしており、ASEMのイニシアティブへの一般・メディアの関心を惹く方途を探求すべき。