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アジア欧州会合(ASEM)セミナー:学びあうアジアと欧州
- 21世紀におけるアジア・欧州協力(ASEM8【注1】へ向けて)-
(概要)

平成22年3月31日

(写真)セミナーで開会挨拶を行う西村外務大臣政務官
セミナーで開会挨拶を行う西村外務大臣政務官

【注1】ASEM第8回首脳会合。10月4~5日、ベルギー・ブリュッセルにて開催。


1.セミナーの概要

(1)日時:平成22年3月30日(火曜日)10時30分~17時15分

(2)場所:ホテルニューオータニ

(3)実施団体:
 (イ)主催:外務省
 (ロ)協力:アジア欧州財団(ASEF)
 (ハ)後援:文部科学省。また、本セミナーは、ベルギー、中国、スペインの各国政府及び欧州委員会を共同提案国(機関)とするASEMイニシアチブ【注2】として開催。

【注2】ASEM参加各国が、特に取り上げたい課題について会合、セミナー、新たな枠組み作りやプロジェクトなどを提案し、他の参加国の承認を得て実施する事業。


(4)概要: 冒頭、西村智奈美外務大臣政務官より、本セミナーの意義等について開会挨拶を行った後、石井正文外務省総合外交政策局参事官をモデレーターとして、以下のとおり実施。

(イ)第1部:テーマ:「欧州統合(EU)の経験」
 i)トーマス・ロー 欧州委員会ASEM顧問による基調講演「21世紀におけるアジア欧州協力」
 ii)田中俊郎 慶應義塾大学教授による基調講演「人と人の交流を通じた共同体を如何に作っていくか」
 iii)会場との質疑応答

(ロ)第2部:テーマ:「アジアにおける交流の現状及びASEFの役割」
 i)ヨー・レイ・フィー シンガポール国際問題研究所(SIIA)EUセンター所長兼主任研究員による基調講演「ASEANとアジアにおける協力 ― 域内及び域外地域主義と高等教育協力への影響 ―」
 ii)芝田政之 文部科学省大臣官房国際課長による基調講演「アジアにおける交流の取り組み」
 iii)ドミニク・ジラールASEF事務局長による基調講演「アジア欧州間交流におけるASEFの取り組みと課題」
 iv)会場との質疑応答

(ハ)第3部:パネルディスカッション・会場との質疑応答

(ニ)モデレーターによる全体総括。

2.主な議論の結果

(1)ASEMの3つの柱(政治、経済、文化)のうち、文化の分野において最も有意義な進歩が達成された、文化交流はソフトセキュリティの領域で重要で、将来的にASEMの付加価値を発揮できる分野であるとの認識が共有された。

(2)また、地域の持続的発展のためには、人々の間の相互理解と信頼が不可欠で、そのためには、人の交流、特に若者の交流を長い時間をかけて着実に進めることが重要であることが改めて確認された。

(3)特に、ERASMUS計画が欧州統合推進の基礎になったように、ASEMの枠組みでも具体的な取り組みを推進していくべきとの点について意見の一致が見られた。

(4)一方、EU諸国との間で人の交流を拡大するためには、東アジアの高等教育機関の質を一層向上させる必要があるとの意見があった。

(5)更に、平和で安定した国際社会の持続的発展のために、日欧共通の課題である海賊対策や気候変動、アフリカ情勢への対応についてもASEMは役割を果たし得るとの意見が出された。

(6)また、アジア欧州財団(ASEF)は、事務局を持たないASEMの唯一の常設機関としてアジアと欧州の文化と人の交流の促進に着実に役割を果たしてきているため、その存在価値は高く評価されるべきであり、ASEM各国が、より一層ASEFの活動を支援していく必要性が確認された。

(7)なお、在京ASEM諸国大使館関係者、国内の学者・若手研究者や学生及びジャーナリストが数多く参加し(約160名)、会場を巻き込んだ活発な意見交換が行われ、ASEMやASEFの活動についての認識及び理解が深められるとともに、ASEM第8回首脳会合(ASEM8)に対する我が国の貢献について検討する格好の機会となった。


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